実践指定校実践例 2012年度
新聞記事から学ぶ~社会科での取り組み
習志野市立第四中学校(ならしのしりつだいよんちゅうがっこう) |
教科、科目、領域 |
中学校: 公民 |
---|---|
学年 | 中学 3年 |
基本的人権に関連した新聞記事を見つけてみよう |
新聞資料を用いて、「文章を理解する力」と「社会について自分なりに考える力」を育てる。 |
新聞各紙の記事から、既習の基本的人権に関わりのあるものを探し、憲法の条文と照らし合わせ、自分なりのコメントを記す。 |
第2章人間の尊重と日本国憲法 (全16時間扱い)第1節人権と日本国憲法(4時間)第2節人権と共生社会(5時間)第3節これからの人権保障(4時間)第4節新聞記事から人権に関する記事を探そう(3時間)
第14~16時 |
Aおもな学習活動と学習過程1学習の目当てと方法について知る2新聞のおもな構成とそれぞれの特色を知る3まとめのサンプルからまとめ方の例を知る4各新聞社の新聞を1部ずつ選択する5一面から最後のページまで見出しを中心に目を通す6基本的人権に関係すると思われる記事を探す7新聞名、年月日を記事に記入して切り抜く8記事を熟読し内容をつかむ(1)むずかしい言葉や重要と思われる部分を色別にマーカーする(2)まとめ用紙に記事を貼付し、むずかしい言葉などを国語辞書で調べ、調べた結果をノまとめ用紙にメモする(3)記事の内容を、いつ、どこで、どんなことが、どういう人が関わって、その他などに分けながらつかみまとめ用紙にメモする(4)憲法の条項と照らし合わせながら、基本的人権の中のどのような人権に関係が深いのか考える9記事についての自分の考えや感想をまとめる10自分がまとめたものを発表する(1)グループ内で発表し合う(2)グループ内で代表を選び、学級全体の前で発表する(3)質問や感想を述べ合うB新聞の使い方1朝日、読売、毎日、日刊工業、日本経済、千葉日報各紙の2か月分を利用する2生徒各自にいずれかの新聞(1日分)を選択させる3実際の最新の新聞記事をサンプルとしてまとめ方を例示する |
(1)基本的人権についての既習事項を最大限利用して学習を進めた(基本的人権の分類と日本国憲法の条項)(2)学力差を考慮し、記事をうまく探すことができない生徒には、なるべく身近で簡単な記事を提示した(3)語句調べをしてもなかなか解らない事項については適宜、支援をした(4)根拠を持って自分の考えを表現できない生徒に対しては、なぜそう思ったのかなどと問い、返答の結果を文章化させるようにした。 |
普段の授業では、あまり学習意欲が見られず、また、学力的にも決して高いとは言えない生徒も、意欲的に取り組むことができた。また、いろいろな新聞を直接手に取って調べることで、新聞について関心を持ち、社会のできごとについても興味・関心を持つことができた。
公民的分野の学習にとって、新聞資料は大変有効な学習資料である。積極的に新聞資料を用いることによって、今学習していることが、実際の世の中で新聞等で報道されていることそのものであったり、深く関連していることであることに生徒は気付く。社会について興味・関心を持ち、自分なりに考える出発点にすることができたと思う。課題としては、学力差に対応しながら「文章を理解する力」をいかにつけていくか、そのための新聞記事の選択や提示の方法についての工夫が挙げられる。
実践者名:習志野市立第四中学校 吉澤春樹