実践指定校実践例 2012年度

自分が好きな記事の意見を書こう

徳島県立城西高等学校神山分校(とくしまけんりつじょうせいこうとうがっこうかみやまぶんこう)

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): 地理歴史 、公民
学年 高校(高等専門学校を含む) 1年 、2年 、3年
ロンドンオリンピック期間の新聞から学ぶ
記事の選定・読解・意見の発信
山のような新聞との格闘・紙面比較
新聞活用学習

NIE集中学習として、ロンドンオリンピック期間の6紙について自分で気に入った新聞を1紙選び、その新聞で一番気に入った記事に対する意見・感想を書く。余力がある場合は、同日の他紙1紙と記事の比較をする。

第0時

※授業の3~4時間を使用
ロンドンオリンピック期間の新聞について、ホームルームごとに新聞を1~2社指定し、全て1面が見えるように並べる。
生徒は1面だけを見て、自分の好きな新聞を選び、目を通す。
一番好き記事(もしくは写真)を選び、読んで、意見・感想を指定のカードに記入する。

作業の早い生徒は、自分が選んだ新聞と同じ日付の他紙を1紙選び、自分が選んだ記事が他紙でどのように報道されているのかを調べ、共通点や相違点をまとめる。 
 
完成したそれぞれのカードをホームルームごとに模造紙に貼る。学習中の教室の写真も添える。3点程度は読んだ新聞記事と書いた生徒の写真を添える。

他のホームルームの模造紙を自分のものと比較し、さまざまな視点や意見があることを知る。

全ての模造紙は学校文化祭のNIE展で展示、文化祭後も半月程度校内に掲示した。

新聞が膨大な量になるので、ホームルーム別に指導者が新聞社を指定した。

ロンドンオリンピック期間中の新聞だが、選ぶ記事はジャンルを問わず、広告を選んでも可とした。

新聞漬けの数時間だが、黙々と記事を読み、悩みながらも懸命に自分の意見をまとめていた。
他者の意見を見て、感心したり楽しんだりする姿が見られた。
自宅で購読していないケースもあり、新聞に慣れたとか、普段これほどの新聞に触れることがないのでおもしろかったという声が聞かれた。

新聞の一覧性を実感した。生徒によれば、新聞を見なければ知らなかった話を題材にするケースもあった。

写真から記事を選んだ生徒も多く、報道写真の効果を実感した。

記事の比較を体験した生徒は、新聞社による違いをより理解したようだ。特に論説関係は、他紙の掲載がない場合が多いので、どの新聞も同じだとは思わなかったようだ。

生徒の実態や展示のバランスから、新聞社をこちらで指定したが、6社全てから生徒に選定させ、選定理由も含めてまとめるとおもしろいと感じた。次回はぜひ実践したい。

NIE展では生徒たちの学習する姿や意見を熱心に見る保護者や地域住民が多数いた。啓発として効果があったと思う。

実践者名:徳島県立城西高等学校神山分校 笠井 智恵