実践指定校実践例 2012年度

自分の考えを伝えるために

松阪市立嬉野中学校(みえけんまつさかしりつうれしのちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 国語 、公民
学年 中学 1年 、2年 、3年
立場と根拠を明確にして書こう
自分の意見を、わかりやすく書いて伝える
新聞活用学習

(1)「議場にi pad OK?」の記事を読んで意見文を書く
(2)「山中教授、ノーベル賞受賞」のニュースについて、数紙を読み比べて、意見文を書く

第1~2時

(1)全員で記事を読んで、内容を大まかに説明をした後、「『議場に』ではなく、『学校に』だとしたら?」という話題になった。
 そこで、「学校に携帯電話やスマートフォン、パソコンなどの通信機器を持ち込むことに対して、どう思うか」について、10分間で200字程度の意見文を書く練習をした。
(2)数紙を読み比べ、気になったポイントを発表させた。次に、記事を詳しく読み比べ、気になった部分を使って、「自分的iPS細胞・ノーベル賞」と題して、自分の思いを書く練習をした。
 今回は、形式を指定して(「私は…。というのは…。しかし…。だから…。」の形に沿って書く)、書く練習をした。文章構成の練習も兼ねることができた。

両時とも、書いた意見文を発表し合い、全員で交流した。

実践にあたっては、出来るだけ生徒たちにも取り掛かりやすい記事を中心に、学習を進めていく方がよいと考える。

新聞記事は、専門用語など難解な語句が多く、読み進めるのに苦労していたが、自分なりの意見を、根拠を述べながら書く練習になった。特に(2)については、iPS細胞について、ノーベル賞について、山中教授について、様々な角度から意見が出た。

今まで物事を一面的にとらえていたのが、新聞記事を読むことにより、多面的なとらえ方が出来るようになってきた。また、新聞記事から投げかけられた問題点を、身近なこととして捉え、自分の考えがより相手に伝わるように工夫しようとする姿が見られた。他の生徒が書いた意見を参考に、自分の意見をより深めようとする姿勢もみられた。
しかし、社会問題に対しての予備知識や、関心が少ないために、今回の実践では、教師の支援なしに、生徒が目的を持って書く段階には至らなかった。さらに、書きたいことが見つかっても、文章表現が稚拙なために、十分に思いを伝えきれていないところもある。
教科の授業での指導と並行しながら、学校教育全体での総合的な取り組みが必要である。

実践者名:松阪市立嬉野中学校 奥中咲江