実践指定校実践例 2012年度

社会への興味・関心を高め、学力を身につける

武庫川女子大学附属中学校・高等学校(むこがわじょしだいがくふぞくちゅうがっこうこうとうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 公民
高校(高等専門学校を含む): 公民
学年 中学 3年 /高校(高等専門学校を含む) 3年
中学校 公民
NIEを通じて、中高生の社会への興味・関心を高め、学力を身につける
新聞制作学習 新聞活用学習 新聞機能学習

中学校3年生 公民 
週に一度のスクラップブックの作成
新聞記者派遣による特別講演
朝日新聞スクラップコンクールへの応募
裁判所見学の実施
修学旅行のまとめ新聞の作成

第0時

※必要に応じて実施
中学校3年生 公民において、 週に一度のスクラップブックの作成を全生徒に義務づけた。新聞の切り抜きをノートにはらせ、感想や調べたことを書かせた。提出されたスクラップノートは、各教科担任がチェックを入れ、A~Cの評価を付けて返却した。
 また、朝日新聞社より新聞記者派遣をしてもらい、女性記者による特別講演を行った。講演後、朝日新聞の記者から本校の中学3年生の生徒2名が取材を受けた。この講演と取材の内容は、後日朝日新聞に掲載された。
 夏休みに生徒にスクラップさせた新聞を、朝日新聞スクラップコンクールへの応募した。中学3年生のほぼ全員が応募し、学校賞を受賞・佳作2名という結果になった。
 夏休みに裁判所見学を実施した。中・高問わず募集を受け付けた結果、約30人の応募があった。大阪地方裁判所でレクチャーを受け、裁判を実際に傍聴した。
 修学旅行のまとめ新聞の作成を2学期に行った。この壁新聞は、本校の文化部発表会で展示した。

 スクラップノートは、1学期は自分が興味を持った記事を中心に行い、2学期以降は政治・経済に限った。こうすることでとっかかりのハードルを低くした。夏休みのスクラップコンクールへの応募は、テーマは特に設定していない。
 記者派遣は、本校のLHRの時間を用いた。事前の打ち合わせなどが必要になるが、生徒のキャリア教育にもつながっている。

 中学3年生は毎週のスクラップの宿題や、折にふれて新聞を使った授業の取り組みをしていたので、かなり社会的な事象に対する関心が高まった。例えば、社会科の授業で時事問題を話題にする際も、生徒から活発な意見が出るようになった。

 3年目の目標は、「本校の中学3年生を終了した時点で、皆が新聞を読めるようになり、高校生でも継続して新聞を読める生徒を育てていく」こととした。
 3年目を終えた現在、当初の目標は、生徒によって個人差はあるものの、ある程度達成できたのではないかと考えている。
 学校全体で、新聞を活用し、生徒の力を伸ばしていくという目標は、着実に結果を出している。今年度からは、指定校も継続校もはずれる形になるが、本校で独自に予算を用意し、NIEコーナーを存続させることができた。(朝日・読売・毎日・神戸の4紙を継続して購読することになった)
今後も今までの経験を生かし、さらに徹底した指導を行いたい。

実践者名:武庫川女子大学附属中学校・高等学校 田村 粛