実践指定校実践例 2012年度

新聞記事を生かした、学びを発信する学校新聞作り

和歌山県田辺市立新庄第二小学校(わかやまけんたなべしりつしんじょうだいにしょうがっこう)

教科、科目、領域

小学校: 国語 、総合学習
学年 小学 5年
地域の伝統を発信しよう
自分たちでテーマを決め、聞き取ったことや調べたことをより分かりやすく伝える力を身につけさせる。
新聞制作学習


〔1〕国語~新聞の編集の仕方や記事の書き方に目を向けよう~
(1)様々な種類の新聞を読んで、好きな記事を切り抜く。
〔2〕総合的な学習の時間~校区の伝統を伝えよう~学校新聞作り~
(1)新聞の作り方を紀伊民報の編集局長から学ぶ。
(2)調べたい事柄を出し合う。地域の獅子舞に取り組んでいる人にインタビューしたり、日本や外国の獅子舞の歴史や特徴をインターネットや図書館で調べたりして、情報を集める。
(3)記事にする内容を話し合い、グループに分かれて原稿を作る


第5~11時

〔2〕校区の伝統を伝えよう (1)新聞記事作りについて
1、校区の伝統である獅子舞について調べたい事柄を出し合う。
・獅子舞はいつから始まったのか。・獅子舞にはどんな舞があるのか。・校区の獅子舞とほかの地域の獅子舞には違いがあるのか
2、調べる方法を考える。
・校区の獅子舞のこと→獅子舞をしている地域の方にインタビ ューする。
・ほかの地域の獅子舞→図書館、インターネット等で画像や資 料を収集する。
(記事にする内容を話し合い、グループにわかれて原稿を作るについて
(2)記事にする内容を話し合う。記事の大きさも決める。
2、グループに分かれて、地域の新聞を読み、文章の構成を考 える。
3、記事を作る。絵や写真などをつけるとより伝わると判断した 場合は写真をつける。

・自分達で作る学校新聞の記事の大きさを事前に決めておくと、文章作りがしやすい。

 新聞に対して抵抗のある児童が多かったが、興味のある記事を読むことから始めることで、少しずつ慣れさせていくことができた。仕上げとして、自分たちで新聞を作り、新聞記事への距離感も縮まったようである。記事作成にあたっては、文章表現など、普段の作文との違いに気をつけながら書くことができていた。「こういったことを書きたいが上手く表せない」という時には、新聞記事の中から使えそうな表現を探す児童も見られた。

 今年初めてNIEに取り組んだ。成果と感じたのは、児童が読み手の立場に立ち、与えられた時数の中で伝えたいことを伝えるためにはどうすれば良いかという視点で文章表現を考えていたことである。児童の言語表現力の幅が広がったように思われる。今回は、地元の紀伊民報社の協力も頂き、作成した新聞を一般紙に掲載してもらえたということも、子どもたちにとって良い機会であったのではないか。
 2年目の取り組みとして、引き続き「言語力」の向上を目指す活動に加え、記事から見える「社会の動き」を捉え、公民的資質を育んでいけるような活動にも取り組んでいきたい。

実践者名:和歌山県田辺市立新庄第二小学校 坂本結