実践指定校実践例 2012年度

新聞記事を使ってスクラップを作ろう

県立八幡工業高等学校(けんりつはちまんこうぎょうこうとうがっこう)

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): 国語
学年 高校(高等専門学校を含む) 3年
情報を集め、まとめ、発信する
新聞を情報源として活用するとともに、得た情報を他者に向けより適切に伝える工夫をする。
新聞社や日付が偏らないように留意して、クラスごとに新聞を分けておく。
新聞制作学習 新聞活用学習

1時限 テーマを決め、記事を切り抜く
2時限 記事を用いてスクラップを作成する
3時限 自分のコメント表を記入する
4時限 仲間の作品を読む

第1~4時

1時限 各自がテーマを決め、それに沿った記事を探して切り抜く。
2時限 A3の紙を一人一枚配布し、そこに記事を貼り付け、見出しやひとこと、装飾やイラストを書き込む。記事の要点や、他の人に注目してもらいたい点がわかるように工夫する。カラーペンや色鉛筆なども用いる。
3時限 コメント表に、「このテーマを選んだ理由」「記事を通してわかったこと、考えたこと、他の人に伝えたいこと」などを記入し、作品の下部に貼り付ける。
4時限 クラス全員で作品を順に回覧し、読んでいく。残り時間が10分になった時点で、そのときに手元に回ってきた作品のコメント表に感想や評価を書き入れる。残り時間5分の時点で、同様にもう一作品を評価する。

 テーマを全く自由にすると、かえってなかなか決められない生徒が出ることが予想されたので、先行事例を参考に、「世の中の動きがわかる」「自分の進路に関わりがある」など、あらかじめいくつかの枠を与え、そのどれかに当てはまるようなテーマを選ぶよう指示した。
 また、切り抜く記事は同じ日や同じ新聞社に偏らないように指示した。

 3年生後半での実践であり、多くの生徒が進路も決まっていたため、進む業界や分野に関連した記事を熱心に探す姿がみられた。また、他者に評価してもらえることが大きな励みになったようである。実物を手にしての作業を中心とした学習であったため、活気のある授業となった。

 社会に目を向け、視野を広げるためのよいきっかけとなった。周囲の仲間の興味関心や考えを知ることができたのも、新鮮な経験であったようである。文章以外の表現手段も取り入れ、クラスメイトによる相互評価を設定したことにより、「他者によりよく伝えるための工夫」にそれぞれの個性を生かしながら意欲的に取り組むことができた。
 25年度からは持ち時間の関係でTT授業ができなくなったため、各クラスの担当者が1名のみとなってしまった。たった1名できめ細かな指導や助言をしていくにはどうすればよいのか、頭を悩ませているところであり、この点が早急に検討すべき課題である。

実践者名:県立八幡工業高等学校 小南 美穂子