実践指定校実践例 2012年度
「何を、どう届けるか?」~グループで、ある日の新聞の第一面を編集する~
東京都立小石川中等教育学校(とうきょうとりつこいしかわちゅうとうきょういくがっこう) |
教科、科目、領域 |
高校(高等専門学校を含む): 総合学習 |
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学年 | 高校(高等専門学校を含む) 1年 |
メディアの基本概念を知る~メディアは構成されており、メディアは価値観を伝える~ |
メディアの基本的知識の一つとして新聞に関する知識を身につけた上で、新聞の編集を体験する。ニュースは価値付けされ、報道にはそれが反映されるものであることを知る。 |
新聞社の協力を得て、実際の記者の入稿記事を材料として利用することで、現実感のある活動となる。実際にその日に発行された新聞を、最後に比較対象として提示する。 |
第一時:編集作業の体験(グループ活動)
◆新聞社の「編集局」に入稿された記事と写真(多数)から、ぐる婦毎に新聞社の編集局となって、ニュースバリューと編集意図を話し合い、掲載する記事と写真の配置を決める。
◆選んだ記事・写真の価値判断の理由と、みだしを考えて、記入する。
第2時:掲載記事と理由の発表
◆各班が、レイアウトとその理由を発表する。
◆実際発行された新聞と比較し、考察する。
第1・2時 |
第1時:編集作業の体験(グループ活動) |
・新聞社の仕事や、新聞の役割、新聞ができるまでの流れ、整理記者の仕事等について、事前に学習した上で行う方が、効果的である。 |
・グループ内で活発な話し合いがなされていた。グループを、それぞれの新聞社として考えさせ、最終的にできあがったものの違いに驚いていた。報道に反映される編集意図について現実的な問題として考えさせることができたように思う。
・実際の新聞を見せ、その記事原稿から本当の新聞社の編集局はどのような判断が成されたかを考える活動が、生徒には刺激的だったようである。
メディアの基本概念を、体験を通して感じ、考えることで実家させることができたと考える。そうすることで、新聞を見る場合にも、ただ切り取られた情報を見る、というのではなく、そこにどのような価値観が反映されているのかを考えるというものに変わる。課題としては、学習の系統性が挙げられる。効果的なメディア学習の流れを考えて、授業構成するとさらに大きな学習効果につながると考える。
(例1)
今回は、全国紙という設定で行ったが、小学生新聞、中学生新聞、スポーツ新聞、地方紙など、対象の異なる複数の新聞を想定して編集作業をさせるのもおもしろいのでは、と思う。報道対象・目的等が反映されているということも学習させることができる。
(例2)
この活動の後に、各社の新聞第一面比較、社説比較等を行うことも有効では。
実践者名:東京都立小石川中等教育学校 畑 綾乃