実践指定校実践例 2012年度

新聞記者は、どんな記事や写真を撮ったら「すごい」と言われるだろう

磐田市立神明中学校(いわたしりつしんめいちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 道徳
学年 中学 1年
道徳授業1年生 内容項目3-(1)生命の尊重  資料「スクープ写真」
生命を脅かす危険と直面した人間の心情について考え、自他の生命を尊重する態度を養う。
1991年6月4日の朝日新聞記事
新聞活用学習

1時間扱い
資料「スクープ写真」を読む
導入 新聞記者の取材の意図を考える
展開 山田記者の心の葛藤や生命の大切さを考える
終末 自分の生活を振り返り、命について考えた経験を整理する

第1時

学習活動
1新聞記者はどんな記事や写真を撮ったら「すごい」 と言われるか。
 ・他の新聞社にない記事をかいたとき
 ・珍しいものをとったとき
 ・スクープをとったとき
2 教師が範読する資料を聴いて、登場人物の気持ち を考える
 立花さんに止められたのに、山田記者が一人でも行 こうとしたのはなぜか。
 ・もう小沢記者には負けたくない
 ・なんとしてもスクープ写真を撮りたい
 ・そんな簡単には死なないだろう
 あなたが山田記者ならば、一人でも行きますか。
 ・もう悔しい思いはしたくない
 ・小沢記者だっているのに、それを見過ごすなんて できない
 ・なんとしてもスクープをとりたい
 ・もしかして、爆発したら命はない
 ・死んだら、スクープはとれない
 ・立花さんが珍しく厳しい声で叱ってくれた
※主発問
  涙が止まらなかった時、どんな気持ちが頭の中で 行ったり来たりしていたのだろう
 新聞記事を読んで、考えを深めさせる
 ・小沢記者たちが亡くなってしまったことが悲しい
 ・立花さんに止めてもらってよかった
 ・命を甘くみた
 ・わがままを通したら、立花さんも危なかった
 ・消防の人は、自分のせいで死んだ
3 これまでの自分の行動を振り返り、今後のあり方 をワークシートにまとめる。
 交通安全上の危険な経験
4 これからも、新聞記事に命をテーマにした内容を 求め、生命の大切さを痛感し、心に沁み込むように 指導する 

 新聞記事を読み込み、火砕流の恐ろしさと、スクープをしようとする記者の無謀さにきづかせる。「命」と「記事」のどちらを優先するかの価値葛藤という究極の選択に対して、生徒に深く考えさせる。

 反応として、「見出しや写真で状況が良く伝わる」と感心しつつも、「やっぱ命あってのものだねさ」と気づいた。
 徳目としては「生命の尊重」が押さえどころだったが、山田記者の行動の身勝手さを責める考え方が多かった。

 本物の新聞記者に来てほしかった。記者立場を理解しにくいので、新聞記者の生の声が聞きたかった。「命の大切さ」を徳目とした道徳の授業では、記者の存在が大きい。

実践者名:磐田市立神明中学校 鈴木康恵(実践代表者 横井純夫)