実践指定校実践例 2012年度

新聞記事を読んで、深く考える

御殿場市立南中学校(ごてんばしりつみなみちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 国語
学年 中学 1年
情報の理解と言語活動
ふだん、新聞記事を読み流している生徒が、新聞記事をじっくり読み、仲間と意見交換することによって、自分の意見を持ち、それを深めていくことができる。
新聞活用学習

第1時 三種類の新聞記事を提示し、そこから考えたことを、同じ記事を選んだ生徒同士で意見交換し、「新聞記事を読んで自分の意見を持ち、深めていく」練習をする。
第2時 生徒各自が新聞記事を持ってきて、個々に自分の意見を深め、それを400字程度の意見文にまとめて、静岡新聞投書欄に投稿する。

第1時

 静岡新聞から選んだ、地元に関係のある新聞記事を三種類、提示する。生徒は、その中から一つを選び、まず個々に、記事を読んだ感想・意見などをワークシートに書き込んでいく。
 それを、同じ記事を選んだ生徒3~4人のグループで発表しあい、友人のすぐれた視点や、深く考えられた意見に触発されて、自分の意見を深めていく。学級全体に紹介したい生徒については、それを発表してもらうことによって、さらなる思考の深化を図る。
 最後に、次時に各自気に入った新聞記事を持ってくるよう指示し、それぞれに意見文を書いてもらうことを予告する。

 最初は、新聞を読んでの「感想」にとどまることが多いので、「あなたの考え・意見を聞きたいな」と声をかけ、ワークシートの内容を充実したものにしていく。この過程を経ることによって、後のグループ討議が、より充実してくる。

 非常に意欲的に取り組んだ。特に、「南海トラフ巨大地震の被害想定出る」という記事には、多くの生徒が関心を持ち、じっくりと考えを深めていた。また、「伊豆がジオパーク登録へ」の記事では、地元の富士山が世界遺産に登録されるか、という話題と結びつけて考える生徒が多かった。「深夜高速バス増発」の記事には、関西と静岡の意外なつながりに驚いた生徒が多かった。

 授業を行ったのが、一年生の十月と言うことで、意見の深化は十分に図れたとは言えない。提示した新聞記事の内容も、やや難しかった。しかし、ここでの経験は、さらに学年が上がった時に、より深い意見を持つことができるよい練習になったと思う。
 また、言語活動として考えたときに、生徒それぞれが何らかの発言をできる内容になったことは非常に重要で、これも今後の活動に向けてのステップボードになったと考えられる。

実践者名:御殿場市立南中学校 湯山昌樹