実践指定校実践例 2012年度

社会問題に対する生徒の意識向上とそれに関する考えの表現関して

岡山市立富山中学校(おかやましりつとみやまちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 国語
学年 中学 3年
新聞の紙面構成の特徴を知ろう(新聞記事の比較を通して)
同じテーマの複数の新聞記事を比較して、その違いを発見し、文章でまとめる。
3社の新聞の社説を比較するために、1枚のプリントにまとめる。
新聞活用学習

(1限目)3社の新聞の社説を比較し、ワークシートに相違点等を記入する。
(2限目)1限目のワークシートに記入した意見をもとに、気付いたこと等を発表する。

第1~2時

第1時では、3社の新聞記事の社説を比較して、選手の立場、監督の立場、記者の立場に立つと仮定して、自身の考えをもたせ、意見をまとめていった。そして、次に記事にある情報の比較と記者の視点の相違部分を見つけていった。
第2次では、前時で記入したワークシートを活用して、生徒自身の意見を発表したり、そこで気付いたことを表現したりして、相互の意見を聞くことで気付いたことをまとめていった。

個人で考えさせたり、書かせたりする時間を多く取ることで、「書く力」の向上につながる指導を行った。また、他の生徒の意見を聞くことで、生徒自身の「話す・聞く力」の向上に結びつけた。

複数の記事を比較することによって、同じテーマでも、得られる情報が少しずつ異なったり、記者の見解の違いが分かったりした、という意見が多く見られた。

第一に、事実に対する記者の視点や情報の提示方法が異なることに気づいた生徒が多かったことが特徴的であった。現在は、ニュースをテレビやインターネットから得ることが多いが、漫然と受け身の情報収集であると、その事実から分かる本質部分が少ないということに気づいた表れであると思う。第二に、記者の書きぶりに左右されることなく、自身の思考や判断を当てはめることで当事者意識が育まれたように思う。もちろん、この授業だけでそれが可能になったわけではない。「言葉」への意識向上の授業や、学級活動や行事等で継続して行った生徒への向上心を抱かせる関わり方と達成感を持たせる取り組み、そして道徳の授業を通して他者の思いに心を向ける取り組みが功を奏したと考える。今後もさらなる生徒の意識を目指して、取り組みを進めていきたい。

実践者名:岡山市立富山中学校 秋山容子