実践指定校実践例 2012年度

言葉を通して豊かに関わる子どもの育成

品川区立延山小学校(しながわくりつ えんざんしょうがっこう)

教科、科目、領域

小学校: 社会
学年 小学 5年 、6年
わたしたちの
世の中で起こっていることに興味関心をもち、社会に積極的にかかわる力をつける。
スクラップ用のワークシート(選んだ理由、記事の要約、感想や意見)を準備しておく
新聞活用学習

夏休みの課題として新聞スクラップのワークシートに取り組む。ワークシートには自分の興味のある新聞記事をスクラップし、選んだ理由、記事の要約、記事に対する感想を記入する。5年生社会科の情報単元の導入として、そのワークシートを活用した授業を行う。

第11時

1.選んだ記事についてグループで発表する。

2.グループ内で一人暮らす全体に発表する人を決める。(みんなに知らせたい記事、みんなが興味を持ちそうな記事など代表を選ぶ視点は明確にさせる。)

3.発表者の新聞記事を全員で話し合いながらグループ分して黒板に貼る。(スポーツ、経済、事件、災害、環境、動物、文化、教育、政治、自然、生活のカテゴリーを提示する。この範疇に入らないものは新たに新設する。)

4.ひとりひとりが選んだ記事の見出しを短冊に記入し、グループ分けして黒板に貼る。

5.記事のグループ分けを見て気付いたことを発表する。
※選んだ記事の種類の偏りや、新聞には様々な種類のニュースが載っていることに気付かせる。

複数の新聞社の新聞を実際に提示し、何度も読み直せること、多くの情報
が記載されていることなどのメリットを説明する。

(1)これまで新聞をあまり読んだことのなかった児童が、新聞スクラップの課題や授業
をきっかけに新聞のおもしろさに気付き、進んで新聞を読むようになった。
(2)朝の会で行っているニュースのスピーチでは、選んでくる記事のバリエーションが
増え、社会の出来事に対して興味や関心が高まった。

2学期からの新聞コーナーの設置により、新聞を身近な存在として受け止める児童が増えた。低学年から高学年まで、学年に関係なく新聞を広げて読んでいる児童が多くなった。
加えて、6学年においては、日常的に新聞を活用した取り組みをしているため、世の中の出来事や時事問題に対する意識が高まった。また、難しい漢字が多く出てくる記事を根気強く読むことで語彙も豊富になり、作文や発言等でその成果が現れている。
今後、児童の発達段階やねらい応じた、適切な新聞教材開発や継続的な実践、全学年での新聞を活用した指導のあり方の共有化を進めたい。さらに、国語科との関連を深め、本校の研究テーマに迫る新聞の活用とその教材化を探りたい。

実践者名:品川区立延山小学校 今野 均