実践指定校実践例 2012年度

新聞記事を活用したスピーチの実践

岡山市立西小学校(おかやましりつにししょうがっこう)

教科、科目、領域

小学校: 国語
学年 小学 5年
自分の考えをまとめて,討論しよう
新聞記事を活用し,スピーチする活動を通して,コミュニケーション能力を育成する。
新聞活用学習

第一次 学習の流れを確認し,調べた情報を自分の言葉で説明できるようにする。(4時間)
第二次 調べて考えたことを書き出しながら整理し,構成や表現を工夫する。(4時間)
第三次 討論の進め方を理解し,実際に討論を行う。(4時間)
第四次 新聞記事から事実を読み取り,考えをもって討論を行う。(2時間)

第13~14時

1 現在の松井選手の写真を見て,この人物について知っていることを発表する。
2 グループになって新聞記事を読み,20年前の高校時代に甲子園球場でどんな出来事があったのかを知る。
3 読み取った事実を簡単に発表し合う。
4 思ったことや感じたことをグループで話し合う。
5 論題を確認する。(論題:星陵派?明徳派?)
6 ディベートを行う。
 ※途中,別の資料として,新たな新聞記事を読み,自分の考えを練り直す。
7 討論を終えて最終的に至った自分の考えと討論の感想を書き,発表する。

・注目させたい部分を拡大したり,読めない漢字にはふりがなをふったりする。
・全体では発表しにくい児童も活動に参加することができるように,小集団での話し合いを行う。
・相手の意見をしっかりと聞くことができるようにメモが取れるようなワークシートを用意しておく。
・授業を通して分かったことを明確にするために,振り返りカードを使用する。

 児童は感情移入し,白熱した討論を行うことができた。新聞の利点として,過去の事実であっても当時のことが鮮明に読みとれる点や,数年後の情報と読み比べることができる点などがあり,それを活用できたからだと言える。また,星稜・明徳義塾両校の中立な立場から書かれた記事であったことにより,児童は賛成・反対の意見をもちやすく,討論にスムーズに入ることができた。このように,新聞記事の活用はとても有効だった。

【成果】
・新聞を使った活動を継続的に行うことで,社会情勢や問題に興味・関心をもつ子どもが増えた。
・新聞自体に興味をもち,進んで読み,感じたことをまとめるなど,自主的に学習に生かす児童も見られるようになった。
・新聞を読んだり,作成したりする活動を通し,他のメディアに比べ,詳しくわかるなど新聞のよさに気付けた。

【課題】
・授業にあった記事を選ぶには,教師の日頃の新聞への関心と記事の累積が必要。
・新聞に触れる機会は多かったが,語彙力が乏しい子ども達にとって高度な新聞の読解は,授業での十分な指導が必要。読むことが苦手な児童への関心・意欲を引き出す指導の工夫を考えたい。

実践者名:岡山市立西小学校 石井諒