実践指定校実践例 2012年度
事実を知って認識を広げる取り組み
鳴門教育大学附属中学校(なるときょういくだいがくふぞくちゅうがっこう) |
教科、科目、領域 |
中学校: 国語 、道徳 、総合学習 |
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学年 | 中学 1年 、3年 |
私たちの周りの人権問題 |
新聞記事の中から人権侵害にあたる事象を見抜き,人権問題についての認識を広げる |
「徳島県人権教育推進方針」を参考に,性・子ども・高齢者・障害者・外国人・犯罪被害者・インターネットによる人権侵害・戦争などの観点で記事を分類した。 |
「徳島県人権教育推進方針」を参考に,性・子ども・高齢者・障害者・外国人・犯罪被害者・インターネットによる人権侵害・戦争などの観点で記事を分類した。各自が一つの記事を担当し,どういう出来事か,何が問題か,わたしたちに何ができるのかを考え,発表した。生徒たちは、インターネットの便利さの一方で個人情報が侵される危険があることや,子どもの権利が守られなければならない一方で少年犯罪を防ぐ必要もあることなどを発表した
第21時 |
第1学年の総合的な学習の時間のスタートに、徳島新聞社の出前授業をお願いした。情報収集の仕方や,得た情報をどのように組み立てればよいかなどを教えていただいた。 |
総合的な学習の時間 単元「わたしたちの周りの人権問題」で抱いた課題意識を、国語科の単元「徳島新聞社『読者の手紙』に投稿しよう」につなげることで、学習活動が有機的に統合されるよう留意した。自分のいいたいことをいうのではなく,読んだ人が納得したり,共感したりするような文章を書くことに努めた。 |
事象には多面性があること,すべての人が尊重されるためには互いの権利を尊重する必要があることを実感できた。また,この単元を通してシリアなど現在も紛争が続いている地域があるという現在進行の世界情勢にも目が向けられた。人の命を奪う戦争は最大の人権侵害であると知り,すべての人が個人として尊重される社会を創りたいという思いをもった。
生徒が日常生活の中で体験できる事象には限りがある。しかし,新聞を通して直接体験できない事実を知ることができる。正しいことは何なのかを考えることで,どう行動すべきかが見えてくる。新聞が遡及性を持ちながら今日性を持つこと,広く社会を見渡せることを活用すると,物事の本質に迫りながら,人としてあるべき姿を求めていく学習ができると考える。
実践者名:鳴門教育大学附属中学校 大井育代