実践指定校実践例 2012年度

Let's コラム

川崎市立南菅小学校(かわさきしりつみなみすげしょうがっこう)

教科、科目、領域

小学校: 総合学習 、その他(朝学習)
学年 小学 6年
コラムに挑戦しよう
新聞を通して自分の考えを豊かに表現する力を育てる。
最初から自由なテーマでコラムを書かせるのでなく、子どもが興味・関心をもって読むことのできる記事を選ぶようにした。
新聞活用学習

総合「様々な人の生き方を知ろう」(2時間)
朝学習「100字コラムに挑戦しよう」(4時間)
   「新聞感想文に挑戦しよう」(4時間)

第1~10時

・年度初めに、100字コラムコンクールと新聞感想文コンクールに全員で挑戦するという目標を立て、それに向けて、自分の文章力や表現力を高めていくことを確認した。

(1)総合の「さまざまな人の生き方を知ろう」の時間を使い、様々な分野で活躍している人達の記事を読んでコラムを書く。
 「宮本、最年長2000安打」
 「8000メートル峰 全14座登頂」
(2)原発再稼働やいじめ問題、教室の冷房問題など、さらにテーマを広げてコラムを書く。
 「失敗から何も学んでいない」
 「外来魚 捨てないで」
 「教室冷房あり?なし?」など
(3)100字コラムコンクールに向けて、自分でテーマを選んでコラムを書く。
(4)夏休みの間に、自分の関心のある記事を見つけ、夏休み明けにこれまでの学習のまとめとして新聞感想文に取り組む。

・子どもの意欲を引き出すために、全ての時間で以下 のことに気をつけながら指導を行った。
(1)子どもが書いたコラムは必ず校正をし、コメントを入れて返す。
(2)自分の考えや立場がよく分かるように工夫して書かれているものは、クラスに紹介し、積極的にその良さを認めるようにする。
(3)コラムを廊下に掲示し、友達のコラムをいつでも見られるようにする。

 初めのうちは、コラムを書くことに抵抗感を感じていた子も回を重ねるごとにコツをつかみ、短時間で自分の考えをまとめられるようになってきた。また、慣れてくると「100字では書き切れないから、もっと書きたい」という子も表れ、実践の後半では、100字から200字にコラムの量が増えた。友達同士でもっと上手に書くためにはどうすればいいか、互いのコラムを読み合う姿も見られた。

 今回の実践では、常時活動という点にこだわった。子ども達の文章力、表現力を伸ばしていくためには、一過性の取り組みではなく、継続した取り組みが必要であると考えたからである。そのため、100字コラムの活動を教科領域の中に明確に位置づけることができなかった。この点は大きな課題である。しかし、教科や時間に縛られなかった分、無理なく継続的に活動を行うことができた。また、記事選びの面でも「この記事で書かせてみたい。」と思うものを子ども達に教材として提供できた。実践の途中からは、自分達の書いたコラムを互いに読み合って意見交流をしたり、友達の文章表現を真似てみたりとコラムを通した関わり合いも見られるようになった。コラムを書きながら、互いに切磋琢磨する姿が見られるようになったのは大きな成果だと思う。

実践者名:川崎市立南菅小学校 天正裕史