実践指定校実践例 2012年度

人権問題について考えよう

徳之島町立井之川中学校(とくのしまちょうりついのかわちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 道徳
学年 中学 1年 、2年 、3年
人権学習
人権問題に関する新聞記事をさがし,身近な問題に目を向けさせるとともに,問題を分類することで人権に対する意識を高める。
自分の関心を持った記事を選び出すこととともに,どういう内容なのか分類することで考えが深まる。
新聞活用学習

(1)事前:授業の前に自分が関心を持った新聞記事を探しておく。(2)本時:自分が関心を持った新聞記事のどこが問題点かに注目し,考えをまとめる。(3)事後:作成したレポートを互いに見ることで,他の人の考えにふれ,自分の考えを深めさせる。

第1時

あらかじめ自分が関心を持った人権問題に関する新聞記事を準備しておき,記事の内容の問題点について30条からなる「世界人権宣言」のどの条項に関わる問題なのかを考えさせる。分類しづらい問題については,教師が助言を行い分類させる。自分の選んだ記事に対し,どこが問題点なのかその問題点に対し自分がどういう考えを持つかという視点で自分の考えをレポート用紙に新聞記事と合わせてまとめさせる。他の人のまとめたレポートを見ながら,意見を交換し,問題点に対する様々なとらえ方があることに気づかせる。作成したレポートについては校内に掲示し,他のクラスの生徒も閲覧できるようにする。

事前に新聞から自分の関心のある記事をさがしておくように計画的に指導を行う。「世界人権宣言」のどの条項にあてはまるか自分で判断できない生徒には適宜助言を行う。

活動を通して,夫婦の姓に関する記事について第7条「法の下での平等」に関する問題ととらえたり,障害者支援の記述について第29条「自由で安全な発展に不可欠な社会への義務」のための活動と考えた例があった。

生徒は自分の目にとまった新聞記事を選んだが,「世界人権宣言」の条項と照らし合わせることで,記事がどういう権利を侵す問題なのか,保障するものなのか指導する教師とともにじっくり考え,深めることができた。記事の内容を分類することで,問題点を明確に整理し,理解が深まったことより意見や感想に深まりがあった。また,新聞記事の活用で身近なところにも人権問題があり,権利を保障する活動が行われていることに目を向けさせることができた。

実践者名:徳之島町立井之川中学校 西園浩二