実践指定校実践例 2012年度

左手1本のシュート

さいたま市立大谷中学校(さいたましりつおおやちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 道徳
学年 中学 2年
目標に向かう意思 1-(2)
自らの可能性を信じ、目標や理想に向かってあきらめずに最後までやり遂げようとする実践意欲を培う。
記事に紹介された写真を導入に使い、生徒の興味関心を高める。記事は場面を追って心情の変化を理解するのに役立てる。
新聞活用学習

1時間

第1時

導入:主人公が初出場した試合でシュートを打った瞬間の新聞記事(写真)を見る。
展開:記事を読んで主人公の条件、情況を知る。
発問1「中学時代に選抜チームにも選ばれていた主人公は高校生になったらどうしたいとおもっていただろうか。」発問2「倒れて手術をし、意識が戻った後、どのような気持ちでいただろうか。」発問3「『自分のため、チームのため、できることをやろう』と考えたり、延々とシュート練習をしたりしたのはどうしてだろうか。」発問4「試合の後、床にうずくまって泣き続きたのはどのような気持ちだったろうか。」
発問5「実際に主人公が試合に出場するとなったとき、チームメイトはどのような気持ちだったろうか。」
実際の映像を見る。
発問6「どうして主人公は夢を実現させることができたのだろうか。」
終末:先生の話を聞く。感想を書き、自分の考えをまとめる。



映像資料も活用するので、それぞれの資料の提示場面を考え、必要最小限の補足説明にとどめる。

導入時に写真を見たとたん、バスケット部の生徒が「シュートの仕方がおかしい」と口々に発言し、関心の高まりが感じられた。高校のバスケットボール部を舞台にした話題なので、どの生徒も自分に重ねて考える様子が見られた。新聞記事は予想以上に集中して読んでいた。

写真のインパクトと映像資料のインパクトに頼ることなく、読み資料を活用した利点は、話の展開や場面の心情を理解する際、生徒の理解のスピードに合わせて進めることができる点にあった。新聞記事は簡潔に事実を伝えているため、とてもわかりやすい。しかし、丁寧に発問をしていったため、時間が足りなくなってしまった。発問を厳選し、ねらいを絞るべきであった。また、映像資料は様々な点で生徒にとって有効だが、ただそれだけで終わらせないよう留意する必要がある。読む活動と書く活動をしっかり取り入れることで自分自身の考えを確認することができた。

実践者名:さいたま市立大谷中学校 塚本直子