実践指定校実践例 2012年度

中学校社会科公民的分野における習得した「公正」概念の活用

江東区立辰巳中学校(こうとうくりつたつみちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 公民
学年 中学 3年
学習指導要領大項目(1)の中項目イ「現代社会をとらえる見方や考え方」の学習
1社会生活における物事の決定の仕方やきまりの意義について考える。、2現代社会をとらえる見方や考え方の基礎としての「効率と公正」について理解する。
ルールづくりの学習を振り返り、習得した「公正」の視点から世の中にあるルールを評価させる際、新聞を活用させた。
新聞活用学習

(1)模擬的なルール作りその1(2)模擬的なルール作りその2(3)模擬的なルール作りその3(4)ルール作りの振り返り(新聞を活用して、世の中のきまりを評価する学習)

第4時

1-新聞記事から世の中の様々なきまりを見つける。
2-様々なきまりを次の4つの視点から評価する。
(1)手続きの正当性(ルールづくりにみんなが参加し、ルールをつくる過程に問題はありませんか?)(2)公平性〔平等〕(立場が変わってもその決定は受け入れられますか?)(3)明確性(そのルールはいろいろな解釈ができませんか?・どのような内容かすぐに意味が分かりますか?)(4)目的達成性(問題を解決するという目的を実現するために適切な手段ですか?・そのルールを作ることで問題を解決することができますか?)
3-評価した結果をクラスで発表する。
4-発表を聞いて、意見を述べ合う。

新聞記事から世の中の様々なきまりを見つける祭、見つけることが容易にできない生徒には、社会面の事件の所の記事やコラム、投書欄に着目させる。簡単にきまりを見つけることができる生徒には、政治や経済面からも探し出すように指示を出す。

学習に対する感想としては、「ルールについて深く考えることができた。また、ルールによって私たちの生活環境が向上していることが分かった。」などが見られた。また、内容に関しては、手続きの正当性--「義務化を決定したのは、国土交通省だから、国民の意見は反映されていない。だから、人々の中でも、反対の人や賛成の人がたくさんいると思う。」(以下省略)などの発表が見られた。

日頃のタイムリーな新聞記事の情報提供により次の3点の成果が見られた。「1新聞記事活用の日常化」「2学習の習得と活用の場の提供」「3社会的事象の他の解決方法の例示による視点の拡大」である。今後も新聞を活用した授業実践を積み上げ、教育活動を行うことで、生徒一人ひとりの思考力・判断力・表現力等の資質・能力の育成を図りたい。

実践者名:江東区立辰巳中学校 仲村秀樹