実践指定校実践例 2012年度
自ら探求し、自らの言葉で伝えあう子の育成
さいたま市立上小小学校(さいたましりつかみこしょうがっこう) |
教科、科目、領域 |
小学校: 国語 、書写 、社会 、算数 、理科 、生活 、音楽 、図画工作 、家庭 、保健体育 、道徳 、外国語 、総合学習 、特別活動 |
---|---|
学年 | 小学 1年 、2年 、3年 、4年 、5年 、6年 |
図書資料等を活用した国語科学習指導の工夫 |
学校目標 「心豊かな子 進んで学ぶ子 健康な子」の具現化を図る。そのために、新聞記事との出会いで得た学力を様々な教科領域で活用し、伝え合う子を育成する。 |
日々の記事スクラップから、記者の考えと出会うことで、自分の考えと比較することができ、より明確になる。その考えを伝える機会を設定し、ねらいに迫る。 |
社会 2 わたしたちの生活と食料生産(27時間扱い)(1)食べ物ふるさとさがし…自分たちの食料が、住んでいる地域、または決まった地域だけでなく、また日本国内だけでもなく、海外からも届いている事実を、身近な新聞広告から知る。そこから、課題設定を行い、全単元を見据える。
第1・2時 |
導入…私たちが食べている物がどこから運ばれてくるか、食料品のチラシから調べる。展開…(1)広告・チラシの食品の産地名に目を付け、分類する。(2)分類したスクラップを、模造紙1枚のグループ新聞にまとめる。(貼り方は、グループごとに話し合わせ、県別、州別は指示しない。)(3)出来上がったグループ新聞に、見出しをつける。(4)「気がついたこと・感じたこと」を、グループごとに発表する。まとめ…(1)グループ新聞から、地産地消・他地域からの食料品の流れを理解する。(2)みんなで考えた「見出し」から、「交通」「産地」「農業」など、次の学習課題が隠れていることを示唆し、次時へのつながりができるよう、声かけをする。(3)食糧生産に関わる記事のスクラップができるよう、スクラップのめあてをもたせる。 |
特産品がうまれるには、(1)気候や土地の様子との関わりが深いこと、そのために、(2)他地域、海外の交流がうまれること、(3)交通網が発達することに、視点をあてていく。 |
(1)身近な新聞の広告から、自分たちが食べている食品の流れや他地域との関わりが明確になることがわかり、驚いていた。(2)自分の知っている店のチラシ1枚だけでも、日本中、世界中との関わりがあることがわかることに、不思議さを話す子も見られた。
成果(1)新聞記事のスクラップを続けるうちに、記事の仕組みを理解し、自分たちの新聞作りの中で、見出しの有り様やリード文の有り様が理解できてきた。(2)自分の考えの根拠を新聞記事の中から得ることができた。(3)新聞のスクラップを活用して、スピーチに取り組めた。(4)テーマに合わせたスクラップは、読解力を養うことができた。(5)スクラップで見に付けた力を、様々な学習の中に取り入れることができるようになった。(6)国語科で得た力を活用し、他教科へ活かすことができた。反省点と課題(1)継続的なスクラップに慣れるために、始めは時間の確保に戸惑ったが、高学年は児童が家庭でのスクラップに取り組めるようになりつつあるが、低学年はまだまだ課題が残る。少しずつ、進めていくことで無理が生じないようにしている。
実践者名:さいたま市立上小小学校 矢部一夫