実践指定校実践例 2012年度

新聞記事からオリジナルの辞書を作ろう!

江東区立第二亀戸小学校(こうとうくりつだいにかめいどしょうがっこう)

教科、科目、領域

小学校: 国語 、総合学習
学年 小学 6年
漢字を正しく使えるように「覚えておきたい言葉」
ニュースや新聞でよく目にはするが、実は意味がよくわかっていない言葉について調べ、語彙を増やすとともに、日本語の難しさや奥深さへの理解を深める。
各自に1紙ずつ新聞を用意する。各班に一部でも十分に活用できる。
新聞活用学習

(1、2時間目)教科書の「覚えておきたい言葉」について学習する(3時間目)新聞記事を読み、辞書にしたい言葉を探し、ワークシートにまとめる(4~7時間目)総合の時間や朝学習の時間を活用して、辞書づくりの作業を進める

第3~7時

・新聞記事を読み、ニュースやテレビ、インターネットなどで目にはするのだが、実は意味のよく分かっていない言葉を集めてみる。(1)最初に、教師がいくつかの例を挙げる。今回はオリンピックの記事の中から「鼓舞する」などを例にした。(2)各自で気になる言葉を集めていく。今回は、名詞や動詞、文字数にこだわらず、各自が調べたい言葉を集めることとした。但し、カタカナ表記のものは別の機会にすることとし、主として熟語中心になるよう声をかけた。(教科書内容の発展的活動であるため)(3)集めた言葉1つにつきワークシート1枚に記入し、最後にそれらを集めて1冊の「6年2組オリジナル辞書」としてまとめた。その際、政治経済・スポーツ・社会など、新聞の紙面に準じてページを分けながらまとめた。

新聞は各自に一部用意するが、班に一部でも活動は十分に可能である。今回、ワークシートには(1)調べた言葉(2)その意味、語源(3)使用例(記事の一文をそのまま書く)、の三点を記入した。が、記事や見出しをそのままま貼り付ければ、「新聞記事から作った」、というオリジナル感がよりいっそう出ると思われる。また、広告の中には学習にふさわしくない単語もあるので、記事のみに限定した。

予想以上に意欲的に取り組んでいた。NIEに2年近く取り組んできたこどもたちなので、新聞への抵抗感がなくなっていることもあり、熱心に記事を読んで言葉を探していた。児童が集めた言葉はやはり政治に関連した「緩和」「安保理」「諮問」「進捗状況」などの難解な言葉が多かったが、「被災地」「除染」「想定」など、現在の日本ならではの言葉も多く見られた。

児童は多くの言葉を集め、語彙力は確実に向上したように思われる。新聞の中にあふれているたくさんの美しい言葉や正しい言葉遣いにもあらためて触れることができ、小学校でのNIEのまとめとしてもふさわしいものであった。新聞の中から言葉を探す、という手法は初歩的な活動であるが、工夫すれば様々な学年に使えることも分かった(例:外来語を探そう、地名を探そうなど)。課題としては以下の2点が挙げられる。1今回は言葉が多岐に渡りすぎた。最初から「政治経済面から探そう」などのように絞り込んで調べた方が深まったかもしれない。2ただ調べるよりも目的意識を持った方が良い。今回は「オリジナルの辞書づくり」というまとめにしたが、例えばそれを図書館に置いておく、新聞記者に見てもらうなどの工夫も考えられる。

実践者名:江東区立第二亀戸小学校 佐々木 美佳