実践指定校実践例 2012年度
レイアウトにこだわった新聞紙面の作成
埼玉県立鳩山高等学校(さいたまけんりつはとやまこうとうがっこう) |
教科、科目、領域 |
高校(高等専門学校を含む): 公民 |
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学年 | 高校(高等専門学校を含む) 1年 、3年 |
政治経済(第3学年)、現代社会(第1学年) |
社会的事象への関心の増進、定期テスト以外の面で生徒の能力・努力を評価する、学習意欲の増進、形成的評価 |
生徒に新聞を読ませ、そこに載っていた記事を選び、まとめ、それを素材として、B4の用紙に自分の新聞として再構成させる。 |
2学期は2回、3学期は1回実施。各回の時数は1。
政治経済と現代社会の科目で実施しているが、特にその中のどの単元に属するかは意識していない。
第1時 |
毎日の新聞を図書室に配置。いずれ、授業で新聞作成を求めるので、毎日チェ 生徒に新聞を読ませ、そこに載っていた記事を選び、まとめ、それを素材とし 作成の条件 評価 評価の基準 発表 |
割り付け(レイアウト)が、社会科の課題の評価基準となることについては、違和感を感じる向きもあろうが、こうすることによって、新聞作成に対する集中度は高まると考えた。また、通常の定期試験によっては評価できない生徒の興味関心、努力を評価する機会となることも考慮している。 |
本校の生徒は新聞に触れる機会が少ないので、レイアウトの仕方に原則があることを知らなかった。優秀者の作品をクラスで発表させ、解説を聞くにつれ、次の回からは、「どうやったら“A”がもらえるの?」と聞きに来たり、前回“A”を取った友人の作品をまねる生徒が増えてきた。その結果、3年生のクラスでは、3学期になって、“A”評価を取る生徒が格段に増えた。この時間が大好きだという生徒も何人か現れた。
通常、新聞やニュースに接する機会がほとんど無い本校の生徒にとっては、貴重な機会となった。自分が取り上げた記事に関係する問題についてはなじみが出来たはずである。また、記事を紙面構成の中にそれをどう嵌め込むかを考える作業を通じて、印象は一層強まったはずである。
私のこのような実践は、私の高校新聞部の顧問という経験が可能とさせたものである。顧問をしている期間は県の新聞コンクールの審査員も任されていた。そのためか、評価に悩む機会も、実は何度もあったのだが、生徒に対しては自分の評価を押し通させて貰った。生徒からその評価にクレームを付けられることもなかった。このような基盤の上で行ったことなので、どんな教師にも「やってみたら」と気軽に勧めることは出来ない。
実践者名:埼玉県立鳩山高等学校 吉田明正