実践指定校実践例 2012年度

スクラップによる取組

愛媛県立松山商業高等学校(えひめけんりつまつやましょうぎょうこうとうがっこう)

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): その他(商業)
学年 高校(高等専門学校を含む) 3年
新聞記事の要旨をとらえ、自分の意見を簡潔にまとめられるようにする。
 時事に関する記事を取捨選択し、事実だけでなくその記事にこめられたメッセージを理解し、それを自分なりにまとめ、意見として述べる力を身につける。
 各自で準備した新聞もしくは教室に設置してある新聞から自由に記事を切り抜き、スクラップブックを作成する。
新聞制作学習 新聞活用学習

1~2時限目
 新聞を比較し、記事を選択して切り抜いてスクラップブックに貼り、要約や自分の意見等をまとめる。
3~4時限目
 前時にスクラップした記事について、お互いに意見を述べ合う。

第1~4時

(1)記事の選択
 新聞記事なら何でもいいというわけでなく、商業科で学んだ金融や経済をより実務的に考えられるような記事を選択する。
(2)記事の要約・自分の意見の整理・今後の展望等
 「簿記・会計」や「政治・経済」等の授業で得た知識を、実際の世の中の経済状況と比較・考察させるため、時事問題をスクラップさせることにした。スクラップブックには、単に記事を貼るだけでなく、「要約」「背景」「今後の見通し」「自己の考え」などをまとめる。
(3)報告会の実施
 特に印象に残った記事やテーマについて、各自が発表し、意見を交換する。

 他の意見も尊重しながら自分の意見を発表し、資料や他の発表内容から、論理的に自らの意見を再構築することができたかどうかについて話し合う。他の発表や資料に興味を示さないような生徒には個別に声をかけ、自分自身の問題としてしっかり考えるよう促す。

 普段は新聞を読む習慣が身に付いている生徒は少ないため、日々新聞を読むことが大きな財産になっていることを感じることができたようだ。また、新聞で読んだことが学校の授業で取り上げられたりなど、新たな発見があったようである。

 日常的に新聞に目を通す習慣が身に付き、自分に必要な記事かどうかを判断する力を養えた。そのことが面接や小論文対策にもつながり、進路実現にも大きくプラスに働いたことも大きな成果である。また、発表を通して、自己の主張を他人に理解してもらうためには、淡々意見をと述べるだけでなく、いかに工夫して伝えることが大切であるかということを理解できたようである。今後は、他学年・他講座でもこのような取組を可能な限り取り入れていきたい。

実践者名:愛媛県立松山商業高等学校 森中 博俊