実践指定校実践例 2012年度
授業の中で新聞をどのように活用するか
札幌市立北九条小学校(さっぽろしりつきたくじょうしょうがっこう) |
教科、科目、領域 |
小学校: 国語 、社会 、理科 |
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学年 | 小学 5年 |
社会科「くらしを支える情報」 |
情報と自分自身とのかかわりを考える活動を通して、子どもたちの見方や考え方を広げるために新聞を学習の課題解決の資料として活用することができる。 |
学習問題における自力解決のために新聞を資料として提示する |
社会科「くらしを支える情報」13時間扱い
・情報はどのようにわたしたちのもとへ届くのか(5時間)
・情報ネットワークの活用(4時間)
・情報を上手に使いこなす(4時間)
第6時 |
本時では緊急地震速報を扱う。緊急地震速報は、震度4以上の揺れを観測した場合に発令されるが、実際に緊急地震速報が発令された129回のうち、実際に震度4以上の揺れを観測したのは56回で的中率43%と言う事実を子どもたちに提示する。前時までに新聞について学習してきた子どもたちは新聞のもつ情報の正確さや速さということと、緊急地震速報のあまり正確ではないことを比較し思考していく。話し合いが深まるにつれ、子どもたちは新聞の情報と緊急地震速報の情報のもつ質の違いに目を向けていく。そして「緊急地震速報が全校児童の命を守った」という新聞記事(読売新聞)を提示し、速報としての緊急地震速報の意義を理解し、そしてその情報をどのように自分たちは活用していくことができるかということについて視点を転換させる。子どもたちが「自分だったら」と考えることで子どもたちの公共性を育てて生きたい。 |
既習としての新聞と比較して情報の質の違いに目を向けさせることが本時の授業のねらいにつながる。既習の学習内容である新聞の持つ特性を十分に子どもたちに理解させておきたい。 |
子どもたちは、新聞の学習を通して、新聞をつくる情報の送り手側と読者である情報の受け手側の立場で学習してきた。子どもたちは情報が正確で速さが命であると言うことが読者との信頼関係につながると学習していた。しかし、緊急地震速報のあまり正確ではない事実を提示する事で既習とのズレが生まれ子どもたちに問題意識が生まれた。
社会科では、新聞を資料として授業の中で価値付けたり位置付けたりすること可能である。しかし、他の教科でどのように新聞を価値付けしていくかが難しく、また決められた時数の中で、子どもたちが新聞記事を読み取る力をつけていくことを、限られた時数の中で育てていくのかが課題である。
実践者名:札幌市立北九条小学校 佐藤 元昭