実践指定校実践例 2012年度

記事の読み比べをしよう

静岡県立島田高等学校(しずおかけんりつしまだこうとうがっこう)

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): 国語
学年 高校(高等専門学校を含む) 2年
書き手の意図や描写されたことを的確にとらえ、表現を味わう。
同じ内容を扱った記事を読み比べることで、内容や表現の仕方について、感想を述べたり批評する力を身につける。
生徒の興味を持つような内容で、かつ書き手の視点が異なる記事を用意する。
新聞活用学習

1時限 記事を読み比べて、違いや感想をまとめる。

第1時

1記事を読み比べて、以下のことをまとめる。
 (1)それぞれの記事の違いについてまとめる。
 (2)記事を読んで初めて知ったことをまとめる。
 (3)どちらの記事がよいか。また、その根拠をまとめる。
 (4)読み比べをした感想をまとめる。
2まとめたワークシートを回し読みする。
3自分が気がつかなかったところを赤ペンで書き加える。
4教師が説明するポイントとなる点をワークシートに書き加える。

・傍線、破線、枠囲みなどを本文に書き込ませて、それぞれの記事の対応箇所を意識させながら読ませる。
・見出し、写真、著者の視点などにも留意するよう指示する。
・どちらを選んでもかまわないが、説得力のある根拠を記すように伝える。

 生徒に複数の新聞を渡して、読み比べる記事を探させるということも行った。複数紙に触れる良い機会となった。読み比べをする記事を、一般の記事、書評、本校生徒が取り上げられた記事といろいろ試みたが、全般的に前向きに取り組む生徒が多かった。また、読み比べることは楽しいという声が多い。どちらの記事がよいかということもそれぞれの観点から述べられており、同じものを読んでも感じ方が違うということも学んだ。

 特に、自校の生徒が掲載された記事の読み比べは、お互いの活動を知ったり、刺激をうけたりする良い機会となった。また、取材された生徒にとっては、記事に掲載された内容と自身の意図との微妙な違いを感じるよい経験となった。今後、さらに書評や社説の読み比べをすることで、表現の仕方について批評する力をつけていきたい。また、視野を広げ、社会の様々な問題に対する意見を根拠をもって述べることもできるようにしていきたい。そのためには、教師自身が複数の新聞を読みアンテナを高くして教材として利用できる記事を探す必要がある。本来は、生徒に読み比べをする記事を探すことをさせるべきであろうが、時間的な制約と効果を考えると省略せざるをえない。

実践者名:静岡県立島田高等学校 高島美玲