実践指定校実践例 2012年度

何のために人は働くのか。何のために勉強をするのか。

上田市立第四中学校(うえだしりつだいよんちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 総合学習
学年 中学 2年
働くとは
過酷な状況に追い込まれた受験生に無償で授業などを実施した信学会がなぜ無償で取り組まれたのかを知ることで働くとはどんなことなのかを学ぶきっかけにする。
新聞活用学習

前時 NHKドキュメント 今村組の「復興を誓う 命のダンス」を視聴し、仮設住宅に住む中学生の生活の現状や学校生活の様子を知る。
次時 セルリアン祭に向けた職場体験発表会の準備を行う。

第2時

信学会の学習支援の新聞記事を紹介する。
( )はこの冬、東日本大震災で被災した宮城県石巻市の中学3年生への学習支援に取り組んだ。教材のほか、授業を録画した映像も提供し、現地に講師も派遣。冬季講習や模擬試験も行った。授業は昨年11月末、石巻市の石巻専修大学を会場に開始。火曜から土曜の午後6~9時、5教科を教えた。講師は6人。定員100人を上回る120人ほどが受講した。ほとんどは仮設住宅に住み、親を失った生徒もいるという。昨年12月と今年1月には、市内中学校全21校に呼び掛けて模擬授業を実施。中学生約1470人のうち約500人が受けた。問題作成から、採点、個人の偏差値や順位などを出すデータ処理などは( )が全て担った。2月には、希望する中学校に模試の問題用紙を配布した」授業、模擬試験、冬期講習をすべて受けると一人当たり10万円かかります。実際はいくらで実施したと思いますか。
15千円21万円30円
正解は0円。無償です。 
( )には取り組んだ塾の名前が入ります。どこの県の塾だと思いますか。1宮城県2長野県3青森県
長野県の信学会です。授業の映像は上田市で録画したものです。講師の方は上田市と長野市から派遣されました。1 取り組まれることになったきっかけは何ですか。2 なぜ無償にすることにしたのですか。
3 大変だったことは何ですか等の質問を生徒に考えさせる。


生徒には職場体験で学んだインタビューを実践させるので、講師の方のお話をよく聞くようにさせる。

自分が身近に通っている塾がこんなにもすごいことをしていたなんて知らなかった。被災地の写真や映像を何度も見たけど、もし自分が中学3年生であの状況にいたら、集中して勉強できないと思います。今、自分は良い環境で勉強ができているのだから、もっとがんばらなきゃと思いました。

今年度でNIE実践校の指定が終了する。教科書にない、身近な人の話題が新聞記事にはある。また教師が記事を読み、短時間に紹介できる良さも新聞にある。しかし、限られた紙面のため載せられなかった情報もあるはずだ。自分の生き方を見直すところまで考えさせるには、ご本人に直接お話を伺う方がより深く人物に迫ることができると考えた。それはこれまでに宮城県の石巻日日新聞社長の近江弘一さんや伊那市の菓匠シミズの清水慎一さんのインタビューを行い、生徒の反応から実感したからだ。
信学会の方に3回の直接取材し、公開授業の当日も4名の方にお越しいただき、生の声を聞くことができた。毎回、このような授業で行うのは無理だが、NIEの公開授業という場を与えて下さったおかげで研究を深めることができた。

実践者名:上田市立第四中学校 岡部仁