第6回「いっしょに読もう!新聞コンクール」表彰式を開催

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 第6回コンクール表彰式が15年12月12日、東京・内幸町のプレスセンターホールで開かれ、小・中・高校生各部門の最優秀賞とHAPPY NEWS賞の受賞者に賞状と盾が贈られました。受賞者はそれぞれが選んだ記事を執筆した記者らと懇談、終了後には朝日新聞東京本社を見学しました。学校賞では、優秀学校賞の代表校として福井市松本小学校担当教諭を招き、贈賞しました。

 

 表彰式では、新聞協会博物館・NIE委員会の大西弘美委員長(朝日東京)が「新聞は考えるための一つの始点を提供している。それを手にした読者が何を考え、どのように行動するのかが重要。コンクールを通してみなさんが主体的な学びを実践していることをうれしく思う」とあいさつしました。

 続いて文部科学省初等中等教育局の中尾敏朗視学官の祝辞が紹介されました。同氏は「新聞は優れたものの見方や表現の仕方を示してくれる。読んだ記事について自分でじっくり考えたり身近な人と話し合ったりする営みは、私たちの言葉を豊かにしてくれる」と、コンクールの意義を伝えました。

 小原友行審査委員長(日本NIE学会長)は「どの応募作品にも希望の物語が盛り込まれていた。NIEは『もっと知りたい新聞で』『みんなで考えよう新聞で』『意見や考えを伝えよう新聞で』をテーマに進めてきた。今後も新聞で希望を見つけ、届け続けてほしい」と講評。コンクールがもたらす可能性に期待を示しました。

 

 今回は47都道府県から計3万9,881編(小学生6,522編、中学生19,028編、高校・高等専門学校生14,331編)の応募があり、小・中・高校生部門の最優秀賞を各1編、HAPPY NEWS賞を1編、優秀賞を校種別に各10編、奨励賞を120編選びました。また、団体応募340校の中から優秀学校賞を小・中・高校各5校の計15校、学校奨励賞を85校選定しました。

 

懇談で、深まる記事への理解

 小学生部門の最優秀賞を受賞した瀬底蘭さん(沖縄県北中城村立北中城小学校6年)は、名護市辺野古の新基地建設に反対する市民と警察との衝突を伝える記事を選びました。敵か味方かではなく、どちらもが救われる未来になってほしいと話す瀬底さん。記事を書いた沖縄タイムス・伊集竜太郎記者は「単純に衝突しているわけではないとの記事に込めた思いまで読み解いてくれた。これからも広い視野で記事を読んでほしい」と伝えました。

 川井里紗さん(最優秀賞・中学生部門、清心中学校・女子高等学校中学1年)は、山陽新聞に掲載されたNPO法人実施の懸賞論文最優秀作を選びました。同紙の松島健記者は、論文を書いた岡山県の高校1年生・ビラン・アンドレさんからのメッセージを携えてきました。「世代を問わず感謝の気持ちが大切だという内容が心に響いた」と話す川井さんは、アンドレさんのメッセージをうれしそうに受け取りました。

 18歳選挙権の導入により、安保法案について関心を寄せていたと、中野望愛さん(最優秀賞・高校生部門、西南女学院中学校・高等学校高校1年)は記事選択の理由を述べました。記事を読んで、父親と法案について話し合ったところ、賛否が分かれたといいます。西日本新聞・中原興平記者は「興味を持ったテーマについて、必ず役に立つ記事が毎日、載っている」と新聞閲読の利点を伝えました。

 思いもしなかった記事に出合い、新聞の魅力に気づいた作品に与えられるHAPPY NEWS賞。三浦友愛さん(高知県香美市立山田小学校4年)は、母の友人が買ってきてくれた河北新報に掲載された東日本大震災に関する記事に出合いました。跡部裕史会津若松支局長は、遠く離れた高知県の小学生が記事を読んでくれたことを知り、復興がまだ現在進行形であり、「三浦さんの言葉は心にしみ、励みになる」と、避難生活を送る福島の人に友愛さんの言葉を伝えることを約束しました。

 

表彰式参加者(敬称略)

【奨励賞】渡邊太朗(東京都北区立東十条小学校4年)、林美花(同小学校5年)、石井凜果(東京都武蔵村山市立第八小学校5年)