「やさしいNIE」をスローガンに 静岡市でNIE全国大会開催

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第18回NIE全国大会は7月25、26の両日、「『学び』発見――ふじのくにから『やさしいNIE』」をスローガンに、静岡市の静岡県コンベンションアーツセンター・グランシップで開催、NIE実践教師や新聞社のNIE担当者ら1,375人が参加しました。初日は開会式に続き静岡県立静岡がんセンターの山口建総長による記念講演、角替弘志大会実行委員長からの基調提案と「NIEのすそ野を広げるために」と題したパネルディスカッションが行われました。2日目は公開授業や実践発表などが行われ、午後には初心者の教員向けワークショップが開かれました。

大会は新聞協会が主催。静岡県と静岡・浜松両市の教育委員会が共催し、静岡県NIE推進協議会、静岡新聞社が主管しました。

開会式では新聞協会の白石興二郞会長があいさつ。「静岡は日本におけるNIE発祥の地。新聞が授業でどのように活用され、どんな風に富士のすそ野のように『やさしいNIE』が広がっていくのか、大会を通してともに考えていきたい」とNIEの発展に期待を述べました。県教委の高橋尚子教育委員長は「子どもたちには、新聞は大人の読み物で難しいという先入観を取り払ってもらいたい。パネルディスカッションではNIEの授業を受ける子どもたちも登壇するので、彼らの意見を楽しみにしている」と、討議の内容に高い関心を寄せました。静岡新聞社の大石剛代表取締役社長は「今大会では『だれもが無理なく取り組むことができるNIE』を目指している。静岡新聞社では昨年、一昨年に新聞活用ガイドブックを制作して県内の全小中学校に配布し、好評を得た。NIEの原点に立ち返り、ひとつでも多くのものを持ち帰ってほしい」と歓迎の言葉を述べました。

記念講演で山口氏は、「教師も医師も、高い倫理観が求められる『師』という言葉のついた職業で、弱者に対する視点を忘れてはならない。静岡県立がんセンターでは学習支援や心のケアを行っているが、患者が積極的にこうした取り組みを活用することが必要。これと同様に、NIEを育てるのは子どもたちだ」「NIEの考え方は学校の枠を超えて超高齢化社会にも活用できる。老年になって身体機能は衰えていくが知恵は年齢を重ねても増え続けるので、豊かな心を持ち続けるために新聞の果たす役割は重要だ」などと訴えました。

 「発祥の地 静岡から、新たなステージに向かって」と題した角替大会実行委員長による基調提案の後、NIEを学ぶ児童・生徒3人と、教諭や保護者を迎えパネルディスカッションが行われました。パネル討議を受け、フロアからは、小原友行日本NIE学会長が「NIEに関わった教員も親も、効果が実感できればNIEを続けている。今後重要となるのは、NIE実践を継続している人たちの分析ではないか。また、新聞には希望を届ける使命があり、授業を受けた子供の成長した姿が掲載されることが望まれる」との発言を行いました。

2日目の分科会では、校種ごとに分かれて17の公開授業と実践発表が行われたほか、特別分科会では、NIE実践指定校終了後の活動を考える研究討議、「NIEタイム」、地域NIE、特別支援教育での実践が報告・討議されました。

閉会式では初日と2日目のパネルディスカッションの討議を受け、「やさしいNIE」のすそ野を広げるために、「自信をもって、『NIEは魅力的でやさしい』ことを伝えよう」「『やさしいNIE』を意識した新聞づくりと環境づくりを進めよう」「新聞とデジタルとの連携・共存を図ろう」――の3点が静岡からの提言として発表されました。

来年は、7月31日、8月1日の2日間、徳島市で第19回全国大会を開催します。みなさまのご参加をお待ちしております。

 

静岡新聞 NIEのページ http://www.at-s.com/blogs/nie/