第16回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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徳島県 徳島県立城東高等学校 2年 清水 来夏さん

意見を聞いた人:母

記事見出し

排外主義拡大に不安 参院選争点に外国人(徳島新聞 2025年7月10日付朝刊)

(1) 記事を選んだ理由、記事を読んで思ったこと、考えたこと

私が住む徳島県にも海外からの直行便が開通した。観光で訪れる人に加え、定住している人など日常の中で外国人を見かけることは当たり前になった。実際に、私が利用しているコンビニで対応してくれる店員さんは日本人でないことがほとんどだ。いまや人手不足に悩む日本の社会にとって欠かせない存在でもある。だから参院選の影響による排外主義拡大の記事を目にしたとき、私は大きな衝撃を受けた。

(2) 家族や友だちの意見

母は記事を見て、「選挙の票集めのためのアピールに利用されている感じがするな。不景気が続き有効な策がない中、外国人に目を向けさせることで自分たちへの不満の矛先を変えているようやね。外国人の犯罪率が下がっていると聞いたことがあるし、きちんとルールを守って暮らしている人が多いはずなのに」と言っていた。

(3) 話し合った後の意見や提案・提言

日本は部外者を作ることに力を注いでいる。母との会話の中で私はハッとした。いま日本国内のみならず高まりつつある自国ファーストの考え方は、差別から生まれた同和問題やナチスドイツによるユダヤ人の迫害のようだ。人々は過去の過ちを繰り返さないように世界規模で法整備や、教育を進めてきた。しかしSNSでも外国人の迷惑行為の様子が拡散され、そのコメント欄には「○○人だから」といった偏見の内容があふれている。一人一人に意識して行動しようという強い意志がなければ、やってきたことが水の泡になってしまう。そんな現状に気付かされた。日本は漢字や仏教といった異文化を古い時代から受け入れて、柔軟に自国の文化に取り入れてきた。古き良き日本の考え方はグローバル化が進んだ現代に必要な考え方だと確信している。先入観や世間の考え方に流されず、お互いを尊重することが共生への第一歩だろう。このことを心に常に留めておく努力をしたい。