第16回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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三重県 三重県立津高等学校 2年 藤井 春奈さん

意見を聞いた人:父母

記事見出し

大丈夫?「読む」が減った 高校国語(朝日中高生新聞 2025年2月2日付)

(1) 記事を選んだ理由、記事を読んで思ったこと、考えたこと

私がこの記事を選んだ理由は、この見出しを見て「やっぱりそうなのか」と納得したからだ。高校に入学してから、文学作品を読む授業に不満を持っていた。先生がひたすら解説を進め、作品を深く理解できないまま終わってしまうのだ。記事を読んで、社会人としてふさわしい「常識」を身につけることが優先されているとわかり、すぐには使わない文学は後回しにされやすいことを改めて感じた。

(2) 家族や友だちの意見

父と母は、「こんな風に教育が変わっていたのかと驚いた。一目見れば理解できる動画と違い、文学は一度自分の頭で組み立て直すから長く心に残る。心を育てる教育までも、効率が求められる現実が残念だ。『見えない思いを察する力』が軽視され、AIに学習させるような機械的な教育がされることが恐ろしい」と言っていた。

(3) 話し合った後の意見や提案・提言

授業時間の足りない中で、どうすれば多様な読み方を学べるのか。私は、国語の時間外、例えば探究活動のウォーミングアップとして「文学を味わう時間」を取り入れることを提案したい。大多数の生徒が中学校で習ったことのある文学作品を題材に、全体像を把握した状態で行う。授業では解説で済まされてしまうようなこと、どうでもいいように思えるけれど気になることなど自由に話し合える時間があると良い。正解がないから何を考えても良い。これが文学の醍醐味(だいごみ)だと思う。「長ったらしい文学を読むのはコスパ悪い」「入試本番で同じ文章は出ないから意味ない」。そんな声がクラスの中から聞こえてくるが、良くも悪くも心が動きやすい高校生のうちに多くの考え方に触れておくことは絶対に必要だ。記事に「『私とは何か、他者とは何かを考えること』は、社会で生きる土台になる」とあるように、文学を通して学ぶことは入試だけでなく、人生にさえ影響を与えると思う。