第16回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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愛知県 愛知工業大学名電高等学校 1年 小田 智駿さん
意見を聞いた人:父
記事見出し
核なき世界 決意の涙 長崎、歴代最高齢93歳が「平和への誓い」(中日新聞 2025年8月10日付朝刊)
(1) 記事を選んだ理由、記事を読んで思ったこと、考えたこと
「救助活動へ向かい水を求められたが自分を優先してしまった。それを今も後悔している」。自分にとってこの話だけで十分選んだ理由となった。いくつかの痛ましいエピソードは、「戦争の記憶は風化させてはいけない」という言葉のうわべのみをみて分かった気になっていた自分へ語りかけるようだった。言葉では言い表せない感情がそこにはあった。人の数だけその感情があるべき、いやなければならない。そう思った。
(2) 家族や友だちの意見
父はこの記事を読んで「あたりまえのことだけれども、戦争というものは絶対に風化させてはいけない。けれど、自分が生まれてくる前の話を忘れるな、というのは少し大変。だから、平和記念日の日だけでも、思いだして、それを後の世代にもずっとつなげていくことが大切なんじゃないかな」といつもより優しい口調で言った。
(3) 話し合った後の意見や提案・提言
父の「平和記念日の日だけでも、思い出すといい」の言葉を聞いた時、どこか救われたような気がした。というのも、記事をよんだ時、こんなにつらいなら、苦しいのなら忘れることはできない、という妙な責任感にさいなまれた。それが父の言葉でふっと軽くなったのだ。確かに一日たりとも忘れてはいけない、という人もいるのだろう。けれどやっぱり毎日が新しく、友とばか言って笑ってる。一番忙しい時期の高校生の端くれにはちょっとそれをするには荷が重い。だけどふと思い出した時は、長めに思っていたい。矛盾してるかもしれないけど、そうしたい。わがままだがみんなもそうしてほしい。気を負わないでほしい。戦争というものは、暗くて、つらくて、苦しくて、とても悲しいものだ。けれど今はそうじゃない。過去に学び前へ進んでいる。だからみんなも、負の心だけ連れ回さずにそいつを飼い慣らす勢いで明るくいきてほしい。けど戦争が教えてくれたものを心に留めてね。






