第16回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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神奈川県 山手学院高等学校 2年 森 遥希さん

意見を聞いた人:祖父

記事見出し

休日はリンゴ園へ出発 JR東日本社員 副業制度で産地支援(日本農業新聞 2025年6月12日付朝刊)

(1) 記事を選んだ理由、記事を読んで思ったこと、考えたこと

日本最大の鉄道会社が農業限定で副業制度を認め、社員が休日に青森のリンゴ園で農作業をしているそうだ。この活動は農家の人にとって、農繁期の人手不足解消に大きな助けとなり、会社側にとっても、社員が普段できないことをするのは気分転換につながり、とても有意義なことだと感じた。実際、僕の家は梨農家で高齢化や人手不足といった問題に直面している。このような取り組みはこれからの農業の形として希望の持てるものだと思う。

(2) 家族や友だちの意見

祖父は、この取り組みは農繁期の人手不足解消につながるので助かるのは事実だが、通年で仕事があり、継続性が必要だ。そして、果物よりも米や野菜などの主食となる作物への支援に重きを置くべきだ。この副業を通じて、農業に興味を持ってもらい、将来、産地に移住して農業をしたいと思えるような未来に期待したいと言った。

(3) 話し合った後の意見や提案・提言

副業の取り組みは人手不足に悩む農家にとって心強い支援だ。記事のように都市部の会社員が農業に関わることで地域とのつながりや新しい関心が生まれ、有益であると思う一方、果樹農家である祖父の意見にも共感した。農繁期以外でも剪定(せんてい)や肥料やりなど力仕事も多く、作物に関係なく通年で支援が必要だと感じた。農林水産省の発表によると農業従事者の平均年齢が年々高くなっているそうだ。やりたい気持ちがあっても体がついてこないと離農する人も多い。企業そのものの価値や収入の安定など、次世代の人たちが農業をやりたいと思える環境作りが必要だと思うとともに、農業法人のような大規模農家だけでなく、小さな農家にも支援が届いてほしい。誰かの努力に頼らず、社会全体が一つになり、日本の農業の未来を考えていくべきだ。食べることは生きることにつながる。そんな当たり前のことを私たちは決して忘れてはならない。