第16回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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東京都 東京学芸大学付属国際中等教育学校 4年 田島 こはるさん
意見を聞いた人:友人の母
記事見出し
ガザ市制圧作戦開始 イスラエル、郊外を掌握(読売新聞 2025年8月22日付朝刊)
(1) 記事を選んだ理由、記事を読んで思ったこと、考えたこと
私にはイスラエルに住む同い年の幼なじみがいる。父はイスラエル人で母は日本人だ。ガザを拠点とするハマスとイスラエルとの間で戦争が始まって約2年。停戦合意のニュースに安堵(あんど)したのもつかの間、イスラエル軍によるガザ市制圧作戦が開始されたという記事に絶望した。戦争にいや応なく巻き込まれる友人を思うと胸が苦しい。18歳になると徴兵制で国防軍への入隊が義務付けられる。同じ高校生なのに見える未来が違う理不尽さに腹が立つ。
(2) 家族や友だちの意見
死が身近で週に2回も知人の葬式に行くこともある。シェルターに避難すれば命は守られるけれど鉄扉を通してもミサイルのボンッという音は聞こえてくる。子どもたちにニュースは極力見せないようにしている。記事を読み、イスラエル人はどう思われているか考えると日本へ一時避難をするのも怖い。息子には徴兵検査が行われた。
(3) 話し合った後の意見や提案・提言
国のために徴兵され戦争に参加するという状況は、戦後80年を迎え、日本人の私には昔の出来事であり、ひとごとのようにも思えていた。小中学時代を過ごした米国の学校には、ウクライナやアフガニスタンから亡命してきた同級生もいて、戦争が世界のどこかで起きている現実を理解していたはずなのに、いざ友人が戦争中の国軍に徴兵されると知ってすごく動揺している。18歳は進学の選択などで免除を申請することはできないのか?と思い調べてみると、イスラエルでは就職の際に軍歴を求められるそうだ。将来が不利にならないためにも、軍務は大事だということがわかった。私は目先の大学受験や将来の目標を、自分の意思で設定できることがいかに不自由のない立場であるのかを自覚した。人々は争いのない世界を望んでいるはずなのに、この課題の解決は本当に難しい。「生きて元気に再会しよう」友人にはこの言葉を心から伝えたい。






