第16回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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埼玉県 所沢市立所沢中学校 3年 金澤 南実さん

意見を聞いた人:母

記事見出し

戦後80年記憶の先へ 特攻の大義 薄らぐ「影」(朝日新聞 2025年8月15日付朝刊)

(1) 記事を選んだ理由、記事を読んで思ったこと、考えたこと

戦争体験者の高齢化が進む今、生の声を知ることができるときに知っておきたいと思ったからこの記事を選んだ。特攻隊だけにフォーカスされた話、そのリアルな声を見たのは初めてだった。やはり特攻隊の人たちは私たちと同じように人であり生きたかったんだなと実感した。遺言書などの展示を見て感銘を受けている人たちは、本当に隊員の非情さを分かっているのかという多胡さんの考えに共感した。私たちはリアルな声をもっと知るべきなのだ。

(2) 家族や友だちの意見

母は「特攻隊に入ったら死が確定された状況なのに周りからは花形だと言われて、体当たり攻撃のために訓練させられて辛い役割だなと改めて感じた。降りるために必死な人はやっぱりいたんだね。国のために命をささげるなんてすごいと思うことがリアルを知らないということなのかな」と言っていた。

(3) 話し合った後の意見や提案・提言

記事を読んで思ったことをまとめ、母との意見共有をしていて気づいた。記事の見出しの薄らぐ「影」とは私たちのイメージの裏に隠れた隊員たちの本音という意味なのかもしれない。特攻隊たちの生きたいという思いが、この記事からはとてもリアルに伝わってきた。特攻隊を降りるために必死だった人がいたこと、遺言書にすら本音を書けなかったこと。このような表に隠れた裏の部分を、記事を読んで初めて知った。この事実が本当にあったんだと実感できたのは戦争を生で経験した人からの声だったからだと思う。戦争の時の物資や遺言書を見て、生き方や仕事との向き合い方について見直そうというツアーがあるらしいが、そのときに勇敢だなというような明るいイメージを持っただけで終わってしまったら、同じことを繰り返してしまう可能性が生まれてしまう気がする。私たちがそれらのものから考えるべきなのは、裏側に隠れた隊員たちの本音なのだと思う。