第16回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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埼玉県 熊谷市立富士見中学校 3年 新井 美結さん

意見を聞いた人:母

記事見出し

余命を生きる (1)治療より家族との時間 (2)挑戦と成長 諦めない (3)周囲の支えで曲作り、配信(読売新聞 2025年7月28、29、30日付朝刊)

(1) 記事を選んだ理由、記事を読んで思ったこと、考えたこと

「余命を生きる」という見出しが、目に飛び込んできた。なぜなら、身近な言葉だからだ。母は今年2月、乳がんの骨への転移が見つかった。まさに今、余命を生きている。11年前に、初めて乳がんになった時、「再発・転移すると、余命約3年です」と、主治医に言われていたのだ。余命宣告を受け、不安や恐怖を抱きながら生きていく辛さは、本人しかわからないと思う。家族ができることは、何かあるのだろうかと、考えてみた。

(2) 家族や友だちの意見

「余命宣告を受けると、最期の瞬間を意識するようになるので、残された時間で、何をしようか、何ができるだろうかと、必死に考え、生きよ うとする。だから突然、最期の瞬間を迎えるより、悔いのない人生を送れると思う。関口さんのように、諦めない気持ちが、余命を延ばす力に なると思う」と、母は言っていた。

(3) 話し合った後の意見や提案・提言

母は、私が3歳の時に左胸乳がん、6歳の時に右胸乳がんになり、今年2月に乳がんが骨に転移した。母の余命は、約3年+α(プラスアルファ)だ。+αは、「粘り強さ」であり、「諦めずに治療を続けた者勝ち」なのだそうだ。「医学は、日々進歩している。だから、11年前に比べたら、もうちょっと長く生きられるし、あと10年生きていれば、もっと良い薬ができるよ」。そう主治医に言われたそうだ。治療の副作用の辛さや医療費が高いことなどから、治療を諦めてしまう人もいるという。母の「必ずかなえるノート」には、高校の入学式を見たい、大学の入学式を見たい、結婚式、できれば孫を見たい……、と、なんと全部、私の成長ばかり記入してある。誰もが最期の瞬間に、一歩一歩近づいている。母のかなえたいことを一つ一つかなえてあげることが、私にできることだ。「奇跡は起きるものではなく起こすもの」。その言葉が、新聞からキラリと輝いて見えた。