第16回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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埼玉県 行田市立桜ケ丘小学校 5年 篠塚 いろはさん

意見を聞いた人:祖父母

記事見出し

美しい田んぼ 残したい 高齢化 人手不足でも(読売KODOMO新聞 2025年5月22日付)

授賞理由

米農家だった祖父母を持つ篠塚さんは、米の価格高騰問題の背景にある、生産者の高齢化といった農家が直面する課題を報じる記事に関心を持ち、一生を米づくりに掛ける生産者のプライドに思いを寄せた。

記事と祖父母との対話から、農機具の価格上昇、高齢化と人手不足、手間に対する収入の少なさなどの課題に加え、農家の稲作への愛着、田んぼの美しい景観や防災面での役割まで深く理解した篠塚さん。最新技術の導入や、学校での農業体験など若い就農者を増やす方策、さらに消費者が地元産の米を選ぶことが農家を支える力になると考えた。

日本の宝である田んぼを残すことが米の安定供給につながる、と結んだ篠塚さん。米価格問題を自分事として捉え、祖父母との対話を通して具体的な課題解決策を示し、未来へ提言している点が高く評価された。

(1) 記事を選んだ理由、記事を読んで思ったこと、考えたこと

昨年から何度も、価格の上昇や備ちく米の放出など、米に関する記事を目にしました。学校の社会科で話し合ったり、家族間でも話題になるほど、私たちの生活に直接関わる問題です。その原因の一つに、米農家の高齢化や人手不足があるのではないかと感じ、この記事を選びました。記事中の渡辺さんのように、美しい田んぼを残すために一生の大半を米作りに費やす人々のプライドこそ、日本が誇るおいしい米を作り出すのだと思いました。

(2) 家族や友だちの意見

父の両親に話を聞きました。もともと米作りをしていましたが、農機具の高さや、手間の割に収入が少ないため、数年前に田んぼをやめてしまいました。記事を見せるとうなずきながら、「体が動くならいつまでもやっていたかった」「風にそよぐ稲穂がどこまでも続く景色を見ると疲れが吹き飛んだ」と話してくれました。

(3) 話し合った後の意見や提案・提言

この記事と祖父母の話から、田んぼはお米を作るだけでなく、美しい景色や自然、そして防災の面でも大切な役わりを持っていることを学びました。最近はお米の価格も上がり、私たちの生活にも影響がありますが、その背景には農家の高齢化や人手不足、農機具の高さなどの問題があると知りました。祖父母も本当は田んぼを続けたかったのに、それができなかったと話していて、胸が痛みました。私は、学校で農業体験をもっと取り入れたり、スマート農業のような新しい技術を広めたりすることで、若い人が農業を知り、関わるきっかけになると思います。そして、私たちが地元のお米を積極的に選ぶことも、農家を支える力になると思います。田んぼは、「見て美しい、食べてありがたい」日本の宝物です。この宝物を未来へ残していくことが、米の供給や価格の安定につながるのではないかと思います。