第15回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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千葉県 流通経済大学付属柏高等学校 3年 松垣 さくらさん
意見を聞いた人:父
記事見出し
生成AI考 「死者を復活」急拡大(読売新聞 2024年7月10日付朝刊)
(1) 記事を選んだ理由、記事を読んで思ったこと、考えたこと
正直なところ、身近な人を亡くした経験がない自分には、故人と再会することがどれほど特別なことか、なかなか想像できなかった。ただ、もし大好きなペットが亡くなって、その姿や声をAIで再現できるとしたらどうだろうと考えたとき、再会の喜びとともに、偽物を見せられたような違和感や悲しさが入り交じるのではないかと感じた。死者の復活という重いテーマだが、家族と一緒に考えてみたいと思い、この記事を選んだ。
(2) 家族や友だちの意見
父は、AIで死者を再現することで、人々が死を受け入れる過程が妨げられることを懸念していた。また、つらい別れを乗り越えること自体に学びがあると話し、最も大切なのは亡くなった人の意思だと言っていた。臓器提供のように生前に明確な意思表示がない限り、AIによる再現は倫理的に問題があると考えているようだった。
(3) 話し合った後の意見や提案・提言
父と話した後、AI技術がもたらす影響について深く考えた。故人をデジタルで再現することで、遺族に一時的な癒やしを与えるかもしれないが、それが人の死を受け入れる妨げになる恐れがあると感じた。命が限られているからこそ、その時間をしっかり見つめるべきであり、AIに頼ることで別れの意味が薄れてしまう危険がある。また、倫理的な議論よりもビジネスが先行している点が気になった。特に、故人の肖像を商業的に利用することには、命や遺族の感情への配慮が欠けているように思う。現状、生成AIに関する法的整備が遅れており、肖像権やプライバシーが侵害されるリスクが高まっている。命の尊厳を守るため、早急に法律や規制を整える必要があると感じた。技術が進化しても、人の死を受け入れ、命の価値を理解することが求められる。私たちは、技術に依存せず、現実の中で人との絆を深め、大事な人と過ごす時間の意義を改めて大切にするべきだと強く思った。