第15回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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東京都 白百合学園高等学校 3年 渡辺 菜月さん
意見を聞いた人:母
記事見出し
私立武蔵中学入試問題から 家事・育児・介護 女性に偏るわけ(朝日新聞 2024年6月20日付朝刊)
(1) 記事を選んだ理由、記事を読んで思ったこと、考えたこと
私は将来、「女性だから」という理由で差別された人々を守ることのできる弁護士になりたいと考えている。女性が家事をするべきだという偏見が根強い日本で、どのようにジェンダーギャップ指数を上げるべきか具体策を考えたいと思い、この記事を選んだ。女性の離職率の高さや低賃金の問題を解決するためには男性の家事や育児への参加を促し、女性が働きやすい環境を整備しなくてはならないと感じた。
(2) 家族や友だちの意見
母は、「必ずしも家事を夫婦で半分ずつ行う必要はないのではないか」と言った。生物学的に女性の方がケアが得意なのだから、女性が家事、男性が仕事という役割分担をしている家庭があってもよいという意見だ。ケア労働を含む様々な女性の生き方が尊重されるべきだというのが母の主張である。
(3) 話し合った後の意見や提案・提言
母の意見を聞いて、女性の社会進出を奨励するあまりに専業主婦としての生き方が否定されている現状を知った。この記事では女性の働きやすい環境を作る具体策として男性の育児休業取得が挙げられているが、私はこれに賛成する。しかし、そのような政策と同時にアンペイドワークを正しく評価すべきであるという認識を広める必要もあると感じた。そして、ここで重要視されるものこそ教育の力だ。共働きと分業どちらでバランスを取ることも尊重される社会を築くためには、国民の意識の変化が必要不可欠だ。具体的には、入試問題を利用したアプローチの他に授業内でケア労働の重要性を生徒に伝えたり、このような問題に対する異性の意見を聞き合う時間を設けたりすることもできるはずだ。どのような在り方の夫婦でも生きやすい社会の実現のために、教育の力は必ず寄与するだろう。