第15回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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福岡県 明治学園小学校 5年 能美 になさん

意見を聞いた人:母

記事見出し

がん公表 母の葛藤 キャサリン妃「子にどう伝えるか」考慮(毎日新聞 2024年3月25日付朝刊)

(1) 記事を選んだ理由、記事を読んで思ったこと、考えたこと

母が乳がんと診断された。診断から間もなく、母は私に病名と今後の治療計画、予想される副作用などを冷静に伝えた。私は動揺した。しかしただおびえているだけではいけないと思い、がんについて調べ始めたころにこの記事を見つけた。きっと母も悩んだ上で私に伝えたのだろう。全ての治療が終わった後でふり返り、私に伝えたタイミングや伝え方は最善だったのか、母に意見を聞いてみたいと思った。

(2) 家族や友だちの意見

全ての治療終了後母に意見を開いた。当時心配だったのはやはり「不必要な質問」だったが、がんについて調べ始めた私を見て、安心したという。正しい知識は不必要な質問への対抗策になる。また、私に病気を隠す必要がないことで母は治療に専念できたという。今考えても、我が家にとってあの時の選択はベストなものだった。

(3) 話し合った後の意見や提案・提言

国立がん研究センターによると、親ががんである子供は約九万人。その半数以上は十二歳以下だ。親のがん診断後の子供へのサポートは自治体や病院などで充実してきている。母の言うように、がんについての正しい知識は、不必要な質問への対抗策になるだろう。しかし診断時、子供や子供を取り巻く環境はがんの知識をほとんど持っていない。だから親は病気を伝えることを悩むのではないだろうか。そこで私は、小学校の授業でがんを学ぶことを提案したい。自分の子が正しい知識を持ち、周囲に理解ある友人がいる安心感は、がん患者が子供に病名告知するストレスを軽減させる。母のように治療に専念することもできるのではないだろうか。また、がん検診の重要性も理解され早期発見につながる可能性もある。子ども家庭庁、文部科学省、厚生労働省など省庁の垣根をこえた連携が必要だ。がんが国民病とも言われている今、教育現場に組み込むことも、一つの選択肢である。