第15回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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広島県 広島大学附属中学校 2年 冨田 花音さん
意見を聞いた人:叔母
記事見出し
「子ども食堂」から「みんな食堂」へ(中国新聞 2024年5月24日付朝刊)
授賞理由
子ども食堂を運営する叔母を持つ冨田さんは、人がつながる場としての食堂の価値に着目した記事を読んで共感した。
叔母は、子ども食堂はおのおのができることを持ち寄る「みんなの1%の集まり」であると話す。叔母の話から、助けが必要な人を見つける、助け合いのネットワークを構築する、幅広い世代の交流に寄与する、子育てをしている親の休憩所になる――という食堂が果たす四つの具体的な機能について理解した冨田さん。多くの人にとってのかけがえのない場所になることを確信した。
対話を通じ、子ども食堂を広い概念で捉え直し、地域社会に貢献できる食堂のあり方について考えを深めている点が高く評価された。
(1) 記事を選んだ理由、記事を読んで思ったこと、考えたこと
この記事を選んだ理由は、私の叔母が子ども食堂を運営していて、食堂以上の価値を感じたからです。子ども食堂から「みんな食堂」へ表現を変えることで、利用者の幅が広がり、人と人とをつなぐ架け橋となっていると感じました。しかし、貧困の子どもが行く場所という意識が残っているのもまた、事実だと感じました。私は「誰でもOK、大歓迎!」というメッセージをどのように伝えていけるのかが重要になってくると考えました。
(2) 家族や友だちの意見
叔母は、「子ども食堂というと、貧困や孤食などまるで困っていなければ、きてはいけない場所であるという思い込みがいまだ社会には存在していると感じる。私は子ども食堂とは記事の通り、地域交流の場であると考える。これは、助け合い、お互い様というような古き良き日本の文化のたまものだと考える」と言っていました。
(3) 話し合った後の意見や提案・提言
叔母の話を聞いて、叔母の考える子ども食堂の四つの機能について知ることができました。一つ目は助けの必要な子どもを見つけられること、二つ目は地域の助け合いのネットワークを構築できること、三つ目は幅広い世代の人と交流できること、四つ目は子育て中の親の休憩所になることです。この考えを聞いて、これら四つの機能を果たせるのは多くの人が会する食堂だからこそだと思いました。時には、困っている人と行政をつなぐ役割を果たす、子ども食堂は大きな役割を担っていると感じ、携わっている人たちは強い使命感を持っていると思いました。叔母はまた、地域の皆ができることを持ち寄る「みんなの1%の集まり」が食堂だとも話していました。子ども食堂への思い込みを無くしていくとともに、より多くの人が参加することで、たった1%が1%以上の力を発揮し、たくさんの人にとって温かみの感じられる、かけがえのない場所になると確信しています。