第14回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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熊本県 八代白百合学園高等学校 3年 濵口 衿名さん

意見を聞いた人:母

記事見出し

性別の役割排除 幼少期から(熊本日日新聞 2023年8月11日付朝刊)

(1) 記事を選んだ理由、記事を読んで思ったこと、考えたこと

近年、ジェンダー平等に対する人々の意識や社会のあり方が少しずつ見直されつつある中、私がこの記事を選んだのは実際にどのような取り組みがなされているのか気になったからだ。子どもにとって親や先生などの身近な大人の言葉は絶対的で影響を受けやすいものだからこそ、幼少期から性別の思い込みにとらわれない環境づくりが大切である。同時に教育を施されない大人は、子どもを通して学び、考えていかなければならないと考える。

(2) 家族や友だちの意見

母は「幼い頃から家庭でも学校でも男の子らしく、女の子らしくと言われて育ち、そうした先入観は今も残っている。初めて性別について考え直したのは、子どもが宿題として持ち帰った人権作文を一緒に考えた時だった。男らしく、女らしくではなく、あなたらしさをありのまま受け入れられる大人でありたいと思う」と言っていた。

(3) 話し合った後の意見や提案・提言

私は、学校の授業やメディアを通してジェンダー平等について知っていくうちに、普通とは何か深く考えるようになった。私自身よく会話の中で自分の中の当たり前や多数派の考え・価値観のことを「普通」という言葉で表現し、無意識のうちに相手に押しつけてしまっていた。しかし、母と話してそもそも普通の人など一人もいないことに気付いた。みんな一人一人違って、自分の当たり前が当たり前ではない人が必ず存在する。強いていえば、それこそが全ての人に当てはまる「普通」なのではないだろうか。だから、私がどんなに考えても性別について悩んでいる人の気持ちを完全に理解することはできないし、どうすれば全ての人が自分らしく暮らすことができるかという質問に完璧な正解を導き出すこともできない。それでもお互いの気持ちに寄り添い、分からないことを考え続けることが、全ての人が自分らしく生きられる社会をつくる上で大きな意味を持つと私は考える。