第14回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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岩手県 岩手県立不来方高等学校 2年 武沢 星奈さん

意見を聞いた人:父

記事見出し

発酵の国東北 腐る様子 方言で巧みに(河北新報 2023年6月20日付朝刊)

(1) 記事を選んだ理由、記事を読んで思ったこと、考えたこと

私は最近「あめる」という方言が「腐敗」という意味だと知り、新聞を眺めていたら、その「あめる」という言葉が飛び込んできたから。なんとなくで知っていた「あめる」という現象の原因菌は、納豆菌や乳酸菌の類だという事実に驚いた。「少し味や見た目が変化してしまった」状態のことを指していると思っていたが、きちんとした定義があると初めて知った。

(2) 家族や友だちの意見

父は「東北の方言で腐るという意味の言い方が複数あるのに驚いた。ご飯があめていたら洗っているというのが食べ物を大事にしていると感じた。東北では昔から飢饉(ききん)があり、食料を大切にする文化が根づいているが、それが今ではSDGsにつながっていて昔の人は時代を先取りしているということに感銘を受けた」と言っていた。

(3) 話し合った後の意見や提案・提言

私の母は岩手県出身で、私に「あめる」の意味を教えてくれたが「腐る」という情報だけで本来の「あめる」の意味が伝えられていないように感じた。方言は、標準語では表すことのできない少しのニュアンスの違いを表現するだけではなく、その背景には昔から受け継がれてきた知恵が隠されているのを実感した。幼い頃から家でも店でも残さず食べろと口うるさく言っていた母のおかげで給食を残すこと、弁当を残すことはなかった。農家の娘である母の家で育てていたのは野菜だけではない。肉牛や豚もあったのだ。今の世の中は命が身近にあるのを感じられず食品ロスをしている人が多い。昔の東北の人のように食べられる物、少しあめていても食べられそうなものがあるというありがたみに気付くべきだと思う。私の住む岩手県盛岡市ではほとんど方言が使われておらず、祖父母にあたる世代の人の会話は聞き取るのが困難だ。方言は昔の人の思い、知恵を受けとるためにも受け継いでいくべきだ。