第13回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

  1. NIEトップ
  2. NIE月間・いっしょに読もう!新聞コンクール
  3. 第13回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

福岡県 筑紫女学園高等学校 1年 和田 のの華さん

意見を聞いた人:母

記事見出し

「ここは部落」差別拡散(西日本新聞 2022年2月9日付朝刊)

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

全国水平社宣言が出されて今年で100年がたつ。だが、差別の現実は何も変わっていない。むしろ、部落解放同盟への参加者が大幅に減少し、高齢化による組織の弱体化など難局に直面している。また、インターネット上では被差別部落の地名リストや動画が公開されたり、部落問題のサイトには被差別部落の関係者の個人情報が拡散され、人権侵害が後を絶たない。今、危機感を持たなければこの先どうなるのだろうと不安を感じた。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

母は、この記事を見て、同和問題は過去の問題ではなく現在も存在していると肩を落とした。そして部落解放運動が盛んだった中学時代の友人の話をしてくれた。「私は部落出身だから10代のうちに早く結婚しないといけない。そうでないと一生結婚できなくなるから」。僅か14歳の少女の言葉が今も悲しく心に残っている、と言った。

(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

私は今、両親と一緒に人権問題の講演会によく参加している。その中で、差別落書き(同和死ねなど)が数年前施設の壁に書かれていたことを知り衝撃を受けた。この落書きを見た小学2年生の女子児童が、私たちは死ななければならないの、と泣いたそうだ。また、2013年と17年に行われた部落問題に関する調査によると(西日本新聞掲載)、回答者の7割近くが被差別部落の出身者と結婚するべきではないと答えていた。身近な所でいまだに見えない差別や偏見があるのだ。この同和問題が解決しないのは、そっとしておこう、寝た子を起こすな、自分には関係ない、無関心、といった個人の意識が根底にあるからではないだろうか。「誰か」の問題として考えるのではなく、自分自身の問題として受け止め、「人間が人間らしく生きる権利」を尊重していくことが解決への一歩だと思った。差別は間違いなく人間が作り出したものだ。だから必ず人間の力で根絶できると強く信じている。