第13回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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秋田県 秋田県立大曲高等学校 3年 木村 夏響さん

意見を聞いた人:母

記事見出し

「侮辱罪」厳罰化が施行(秋田魁新報 2022年7月7日付朝刊)

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

私は侮辱罪の厳罰化は絶対に必要だと思う。厳罰化のきっかけとなった木村花さんの自殺に衝撃を受け、彼女を追い込んだ誹謗(ひぼう)中傷を絶対に許してはならないと思ったからだ。一方で、「表現の自由を不当に制約する」という意見も根強く、運用監視が必要との専門家の指摘もある。「誹謗中傷」と「正当な批判」の線引きはどこなのか、改めて考えようと思い、この記事を選んだ。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

母は、「正当な批判は、人の言動を事実に基づいて評価すること、誹謗中傷は人格やその人そのものを自分の主観で攻撃することだと思う。匿名で意見が発信できるネット上では特に、表現の自由は人を傷つけないことを大前提として認められるべき」と言う。

(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

匿名だからといって自分の発信内容の責任からは免れることができない。対面し話す時は、言葉を選び、よい関係を築こうとする。相手と異なる意見を伝える時ならなおさらだ。匿名を悪意の隠れみのにしないためには、相応の罰則が必要だと改めて感じる。また、母の「主観」という言葉を聞き、気付いたことがある。私は昨年、新聞切り抜きコンクールに出品した際、自然科学と人文・社会科学をテーマにした。さまざまな新聞記事を読み、比較検討して得たことは、多角的視点で物事を見て、判断することの大切さである。「主観」はこの「多角的視点」の妨げとなる。ネット上では特に、物事を一方向から見るのではなく、批判的に感じた物事についてこそ、客観的に多角的視点をもって考えてみる必要があると思う。そして、それを伝える時には、画面の向こうには「人」がいることを忘れてはならない。表現の自由は、非匿名でも発信できることを条件に認められるべきだと私は考える。