第13回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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岩手県 岩手県立大東高等学校 3年 金野 愛里さん

意見を聞いた人:父

記事見出し

〝問題提起したい〟 「PLAN 75」シニア向け試写会(岩手日日 2022年6月17日付朝刊)

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

私がこの記事を選んだ理由は、年を重ねるごとに「死」に対する意識は変化していくのだろうか、と日頃から疑問に思っていたからだ。現在高校三年生の私は、より望む未来へと進むために進路活動に励んでおり、「生きていく」ことが前提にある。このように今の私は生きることを望んでいるが、もし遠い将来、私が高齢になった時に強く生を望まず、自ら死をも望んでいたら、そこにはどんな心情の変化があるのだろう、と不思議に思った。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

この質問に対して父は、「重い病気や体の衰えなどからつらい生活が続くと、生きる希望がなくなってしまうのかなあ。もしこの記事にあるような生死の選択権を与える制度が導入されて、いつでも死を選べるようになったら、逆に気持ちが楽になって、もう少し生きようって思える人が増えるかもしれないね」と言っていた。

(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

この意見を聞いて私は、自ら死を選ぶのには、病気や体の不自由さ、それに伴い身内に介護をしてもらうことへの後ろめたさなど、さまざまな背景があることに気付いた。そのような思いを抱えたまま生き続けることを強制するのは難しいことであり、だからこそのこの制度なのかもしれない。しかし、もしも自分の身近な人がこの制度で死を選択してしまったら、私はひどくショックを受けるにちがいない。その人がどんな思いで死を決断したのか、私にできることはなかったのか、そういった疑問や後悔を引きずったまま生きていくことになる。だからこの記事のような制度に対しては残される立場の私からしてみるとまだ反対の気持ちが強く、どうしても「生きる」ことを選んでほしいと思ってしまう。しかしこれから年を重ねることで、また新たな視点に立ってこの問題について考えることができると思った。