第13回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

  1. NIEトップ
  2. NIE月間・いっしょに読もう!新聞コンクール
  3. 第13回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

宮崎県 宮崎県立宮崎西高等学校附属中学校 1年 後藤 彩綾さん

意見を聞いた人:母

記事見出し

「注文に時間がかかるカフェ」各地に 吃音の若者 夢へ一歩(宮崎日日新聞 2022年6月30日付朝刊)

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

「注文に時間がかかるカフェ」という見出しに興味をもち読んだ記事だった。しかし滑らかな発音が苦手な吃音(きつおん)の人なら、あえて苦手なことを緊張しながらしなくてもITの時代ならどうにでも生きていける。障がいのある人や困っている人には手助けをしたり、不安を取り除いてあげたり、それが優しさだと思っていた私は、自分のマスクに、あえて「たくさん話しかけてください」と書いて接客する店員さんの姿に衝撃を受けた。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

母の意見はこうだった。「苦手=嫌とは限らない。手を差しのべるより見守ってほしい時もある。人の努力や挑戦に余計なおせっかいはしたくないよね」。そして、「吃音の人がカフェを開くことが珍しいことではない世の中にきっと変わっていくはず」と、母は吃音を特別視するのではなく誰にでもある個性の一つだと捉えていた。

(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

母と話してみて、私は、自分のものの見方や考え方の狭さに気付かされた。例えば、障がいのある友達と行動する時には、その友達ができないことを手伝ったり、その友達が得意なことを代わりにお願いしたりしていた。「ありがとう」「優しいね」と言われて喜んでいたが、果たして本当に友達はうれしい時ばかりだったのか、胸が今更ながら苦しくなった。友達の挑戦を邪魔する、まさに余計なおせっかいだったのではないだろうか。記事の中で菊池医師は、「治すことには限界があり、吃音者を受け入れる社会をつくることこそが重要だ」と言われていた。変わってもらう、成長してもらうのを期待するのではなく、私が変わっていかなければならないのだ。自分との違いを無意識の壁で隔てるのではなく、その人のもつ大切な個性、大切なチャームポイントとして受け止め、それを普通だと受け入れていく。人を励まし奮い立たせ人に喜びを与える社会への一歩を私も踏み出したい。