第13回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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高知県 高知市立旭中学校 3年 マドン ティリーさん

意見を聞いた人:母

記事見出し

沖縄戦の不条理 歌に込め(高知新聞 2022年6月18日付朝刊)

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

中学校の授業で太平洋戦争について勉強していた頃に、私は初めて島唄を聴いた。戦争の深い悲しみと同時にかけがえのない平和の尊さが身に染み、しばらく涙が止まらなかった。それがきっかけで沖縄に関心を抱くようになった。そんなある日、この記事が目に留まった。作者の宮沢さんはこれまでの30年間、どのような気持ちで島唄を歌い続けてきたのだろう。そう思い、この曲がとても心に響くという母と一緒に考えてみることにした。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

母は、「宮沢さんが島唄を歌い続けているのは、私たちが当たり前のように平和な毎日を送ることができている背景に、かつて戦争で多くの尊い命が奪われた悲劇があるということ、そして、沖縄の人々の視点に立って戦争について考えてみることで、平和の大切さに気づき直してほしいからではないかな」と話していた。

(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

島唄がきっかけで沖縄戦のことを詳しく知り、今まであまり気づかずにいた戦争のいろいろな恐ろしい面が見えて衝撃を受けた。また、沖縄が抱えている数々の問題は、今も昔も私たちの暮らしと深いつながりがあるということも分かり、一層掘り下げて考えるようになった。それから亜熱帯の自然が豊かな風土と琉球王国だった前からの長い歴史が生んだ沖縄の伝統文化にも興味を持つようになった。これほどに私の視野を広げてくれた島唄には本当に感謝している。過去から目を背けず平和の尊さを伝え続け、二度と戦争が起きない世界を目指していきたい。それが今の私にできる戦没者への慰霊だと思うから。そして、数年後には実際に沖縄を訪れ、現地を肌で感じることでしかできない新たな発見をしたい。宮沢さんの意思を受け継ぎながら平和のためにできることを模索していると、苦難なこともあるかもしれないが、私はそのたびに島唄を聴いてまた力をもらうだろう。