第12回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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(三重県)暁中学校・高等学校 2年 齋田 楽斗(さいた がくと)さん

意見を聞いた人:父

記事見出し

福島第一処理水 海洋放出決定(中日新聞2021年4月14日付朝刊)

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

議論は十分に尽くされた上での決定だったのだろうか。政府と東電は地元が反対しているにもかかわらず、福島第一原発の処理水を海洋放出ありきで進めていたことに大きな衝撃を受けた。この重大な原発事故の後処理問題に関して、廃炉を進める計画や根拠に矛盾点があり、東電の都合が悪いことを考えようとしない姿勢のまま、地元の理解を得て廃炉を進めることができるのか疑問が残る。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

父は「政府と東電は海洋放出が最善の選択なのか再度、深く精査し、明確で綿密な廃炉を進めるための根拠を示す必要がある。そして、誰もが納得のできる説明責任を誠心誠意果たすべき。特に、震災後、苦しんでいる地元の意見を十分に聞き、話し合い、理解を得る努力を惜しまず行うのが先決だ」と話していた。

(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

父の意見を聞き、地元と政府や東電がどのように議論をしたのか、海洋放出の代替案はないのか、インターネットで調べてみた。地元に対して数百回に及ぶ意見交換が行われていたが、政府や東電の説明会はいつも一方通行でしかなかったと話す地元の人もいた。また、国連は「処理水問題などに関連する意思決定プロセスに市民が参加していない」と指摘している。このような状況では、地元と政府や東電の双方で、十分に議論されて海洋放出を決定したとは言い難い。そして、海洋放出以外にもモルタル固化処分など幾つかの代替案が実在することも分かった。地元は海洋放出に絶対反対との表明に対し、なぜ政府と東電は代替案も提案せず海洋放出ありきなのか不信感が拭えない。今後、廃炉を進めるために処理水問題以外でも、地元の理解の必要性が不可避だ。政府と東電は廃炉のための根拠の矛盾点を精査し、真摯に、処理水問題や地元と向き合うことが必要なのではないか。