第12回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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(愛知県)名城大学附属高等学校 1年 鈴木 結子(すずき ゆうこ)さん
意見を聞いた人:母
記事見出し
ネット社会 五輪揺らす 過去の言動「炎上」識者は(中日新聞2021年7月23日付朝刊)
(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください
私は小林賢太郎さんが大好きだ。初めてこのニュースを知ったのはSNSだった。小林さんの新しい作品を楽しみにしていただけに、驚きと、喪失感が大きかった。しかし、その後、どんどん増えていく人々の意見を見て、胸が痛くなった。今まで知りもしなかった人たちが、一人の人間の人格や人生までも否定していく様子を見ていられなかった。翌日、朝刊が届き、細かい内容を知ることができたが、SNSの怖さ、恐ろしさを感じた。
(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください
母は「もちろん、ホロコーストは痛ましい事件だ。切り取った一言が、その人の全てだと考えるのはおかしいね。たくさんの良い作品を一切評価することなく、20年以上前の、インターネットがなければ知る人もいなかった一言がずっと影響する社会は、少し生きにくいよね」と言っていた。
(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください
新聞を作るのは仕事で、責任があると思う。その分、より丁寧でより正しくより公正な記事となる。それと比べてSNSは、発信する人の責任が見えにくい。そのため、偏った情報があふれている。しかし、見方や視点、考え方の量では、新聞に勝る。きっと、様々な媒体のメリット、デメリットを知り、正しく活用できれば、多くの出来事について、もっと深く考えることができると思う。今回、ずっと応援していた小林さんに関してのニュースだからこそ、SNSの意見の痛みに気付くことができた。だが、これが今まで興味をもったことのない人だったらどうだろう。きっと、ここまで痛みに気付くことはなかっただろう。もしかしたら自分も傷付ける側にいたのかもしれない。常に正しくいるのは難しいと思う。でも、今回のニュースを見てから、話題になる人の裏側の気持ちを考えるようになった。これが、ニュースと正しく付き合っていく第一歩となるようにしたい。