第12回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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秋田県立能代高等学校 1年 吉方 春花(よしかた はるか)さん

意見を聞いた人:母

記事見出し

他人から「母さん」違和感(秋田魁新報2021年8月26日付朝刊)

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

小学校入学時、私は黒のランドセルが欲しかった。しかし、祖母に「黒は男の子が使うものだよ」と言われ、衝撃的だったことを記憶している。これは学校の授業等で扱われる「固定観念」の代表的な一例でもあるが、私は他にも様々な固定観念に遭遇したことがある。故にこの記事を読んだとき親近感を覚えた。同時に、人の感じ方の多様性を新たに発見した驚きもあったのだ。そして人の個性を理解し、様々な人に配慮するべきだと思った。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

母は「自分も子供が生まれる前に『お母さん』と呼ばれたときは少し違和感を覚えた。故に性別的、年齢的固定観念での判断は良くないと思う一方、大多数の傾向と照らし合わせて人と接してしまうのは、仕方のないことだとも思う。相手に悪気がないのであれば、好意的な接し方として受け入れてもよいのでは」と語った。

(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

私自身、日常での経験や学校の授業、世間の風潮から「固定観念」というものに敏感になっていた。その反面、母の意見からもう少し「寛容」に生きていいのでは、と思う自分もいることに気がついた。固定観念にとらわれずに声をあげること、そしてその多様性を理解することは大事だが、細部までこだわり自己主張した結果、周囲の人の配慮しなければいけないことが増え、逆に生きづらい世の中になってしまうのではないかと危惧している。また私には、例である「奥さん」や「お母さん」という呼び方は親しみを込めて使うものという認識があったため、使わないという選択肢に多少の寂しさを感じた。多様な人々に過度な配慮をするあまり、当たり障りのない、よそよそしい世の中になってしまうのではないか。もちろん「価値観は人それぞれ」。固定観念に敏感である人もいれば逆もしかりだ。大事なのは、誰と関わる際にも相手を思いやる気持ちを忘れないことではないか。