第12回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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岩手大学教育学部附属中学校 3年 浅沼 美琴(あさぬま みこと)さん
意見を聞いた人:父・母
記事見出し
災害時の氏名公表(岩手日報2021年7月30日付朝刊)
(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください
7月に静岡県熱海市で発生した土石流災害では、行方不明者の氏名が新聞やテレビで発表され、市民から寄せられた多くの情報が捜索活動に生かされたという。その一方で、安否の分からない人の情報を、本人の同意を得ずに明らかにしてもよいのかという意見があることをこの記事で知った。行方が分からない人、亡くなった人の氏名は公表してよいのか。事情によって居場所を知られたくない人の存在はどう守られるべきなのか。
(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください
母は、「氏名公表によって市民が警察や消防などに直接、電話等で問い合わせるケースが減ることにつながり、その分の人員を行方不明者の捜索に充てることができると思う」。父は、「本人の同意を得ないままの公表は、生活拠点も含めてその人の個人情報が明かされることになって、デメリットの方が大きいと思う」と言っていた。
(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください
災害時に一番に重要なことは、より多くの命を救うことである。一刻を争う状況の中で、よりスピーディーに行方不明者の氏名を公表し、生存が確認され次第、別の不明者の捜索に取り掛かることができるという点で、氏名公表のメリットは大きいと思う。現在のところ、氏名公表の基準は市町村によって対応が異なっており、その都度、議論が繰り返されてきたことから、国が統一した基準を設けることで、対応の違いによる混乱が起きないような仕組みづくりが欠かせない。一方でDV被害者やストーカー行為、児童虐待の被害者など、さまざまな事情により公表を希望しない人については、事前に本人や家族から同意を得る制度を作り、登録した情報をマイナンバーと結び付けることで、どこの地域に暮らしても、市町村が責任をもって個人の情報を保護できるのではないか。