第12回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
- NIEトップ
- NIE月間・いっしょに読もう!新聞コンクール
- 第12回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
岩手大学教育学部附属中学校 2年 渡辺 果歩 (わたなべ かほ)さん
意見を聞いた人:父
記事見出し
縄文遺跡群 世界遺産決定(読売新聞2021年7月28日付朝刊)
(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください
産業革命から250年余り、世界は様々な発展を遂げてきたが、現在、環境問題をはじめとして社会の維持が困難な状況に直面している。しかし、北海道・北東北の縄文時代の人々は、資源を持続的に管理・利用することで自然とうまく共存し、1万年以上にわたって定住してきた。今回、縄文遺跡群が世界遺産に登録されたのは、現代を生きる私たちが、縄文時代を生きた人々から学ぶことに大きな価値があるからではないかと考える。
(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください
父は「現代と社会の規模は違うものの、1万年以上も定住したのはすごいことだ。土器や祭りなどの芸術性や精神性が注目されているが、長期間定住することを可能にした環境技術こそを学べるとよい。縄文人は原始的な人たちではなく、持続可能な社会を創り上げた非常に学ぶ価値のある人々だと思う」と言っていた。
(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください
縄文時代に比べて、現代は高い技術を駆使し、より便利で豊かな社会となった。しかし、父の意見を聞いて、縄文人は決して現代人より劣っているわけではなく、むしろ私たちの方が学ぶ立場にあると感じた。縄文人が成し遂げた、自然と共存しながら発展することはまさに現代の私たちの課題である。先人の軌跡から生きるための知恵を学び、これからにつなげていくことが、私たちが歴史を学ぶことの忘れてはならない意義であり、使命でもあると感じる。岩手県民である私は、今回縄文遺跡群が世界遺産に登録されたことで、地元の歴史について改めて知ることができた。ここに住む私たちにできることは、そのような歴史についてまず深く知ることだと思う。観光地としてではなく、縄文人の持続的な社会を学べる場としてもPRしていきたい。